ライムベリー、ワンマンで見せたアイドルラップの最新形 「今夜はブギー・バック」のカバーも

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 そして、アンセム「HEY!BROTHER」、この日二度目の「IDOL ILLMATIC」の後、「R.O.D.(HARD)」へ。ハードコアラップからBPM200のガバへと曲調が変わる瞬間、正面の客席は真っ二つに別れ、ウォール・オブ・デス状態となり、観客同士が激しくぶつかり合う。無責任な観客としては「もっとやれ! 伝説を作れ!」と煽りたくなる一方で、「事故だけは起きないでほしい」と心配だった。

 この日はいつもより会場が大きいためか、普段のライブにはないハプニングが何度かあった。ライブ中に空のペットボトルが後ろの客席に飛んでくることも何度かあり、観客の熱量が悪い方向に向かっていると感じた。もちろん、ライムベリーのライブは観客の盛り上がりをブースターにして、より魅力的になっている場面の方が多いので、全否定はしたくないのだが、小規模のライブハウスなら盛り上がりながらもお互いをいたわっていたピースフルな状況は、今後、ステージの規模が大きくなるにつれ、難しくなっていくのでは? と、少し懸念した。このあたりは運営、演者、観客全員にとって、大きな課題となっていくだろう。

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 The Beastie Boysのカバー「Fight For Your Rigth」を経て、「世界中にアイラブユー(PARTY MIX)」と「END MUSIC FOR MAGIC(C U AGAIN pt.2&C U AGAIN)」のグランドフィナーレでライブは終了。荒っぽいところもあったが、今までの集大成となる大成功のライブだったと言える。

 おそらく来年は、より大きなフロアと多くの観客を相手に、パーティーは続いていくだろう。その時に、このメンツ、このやり方でロックし続けることができるのか? という新たな課題も見え隠れしたライブだった。

(文=成馬零一)

■セットリスト

1 WE ARE BACK!
2 SUPERMCZTOKYO
3 IDOL ILLMATIC
4 We did it
MC
5 ウィンタージャム
6 Bright Light
7 世界中にアイラブユー
8 フロム東京
MC
9 Ich liebe dich(HIKARU MIX)
10 クオリア
11 サンライト
12 きみとぼく
MC
13 プレイグランド#1
14 LET IT GO
15 まず太鼓
16 アンサーアンサー
17 MAGIC PARTY

en1 Ich liebe dich(2MC MIX)
en2 今夜はブギー・バッグ(smooth rap)
en3 IN THE HOUSE
MC
en4 HEY!BROTHER
en5 IDOL ILLMATIC
en6 R.O.D(HARD)
en7 Fight For Your Right
en8 世界中にアイラブユー(PARTY MIX)
en9 END MUSIC FOR MAGIC(C U AGAIN pt.2&C U AGAIN)

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