活動18年で初の全国流通盤リリース 異色のベテランバンド・おかんの正体を大阪芸人が語る
大阪を拠点として活動するロックバンド・おかんが、12月10日に初の全国流通盤『loved one』をリリースする。
同バンドは、結成から18年の月日を迎えながら、未だにCDのリリースは廃盤となった初期の自主制作盤のみ。にもかかわらず、2013年4月8日には、大阪城ホールで単独公演をし、7000人を集客。さらに中国大陸、台湾、マカオ、香港の大中華圏4地域をまたぐアジアツアーを実施したという。さらにこのバンドの特徴は、ライブハウスで演奏することがほとんどないこと。普段は学校、公共施設、ショッピングセンターなどでライブを行い、多くの苦難を乗り越えた彼らならではのメッセージソングをダイレクトに伝えているそうだ。サウンド面では、歪んだギターと重厚感のあるベース、タイトなドラムがしっかりと歌を支え、要所で演奏されるボーカル・DAIの三線が楽曲にポップさをもたらしている。
とはいったものの、全国的なバンドの知名度と集客人数がここまで比例しないアーティストもなかなかおらず、数字を見るたびに謎は深まるばかり。そこで今回は、芸人・山崎方正と“TEAM-0”というコンビで過去に相方をつとめ、現在は同バンドの活動を支援しているという芸人・てんつくマンこと軌保博光氏に取材。彼を通じてバンドの周辺に起こっていることを訊いた。
――地元の方々からの支持&普段CDを買わない方からの支持が圧倒的に多いと伺いました。どうやってこの層へのリーチを拡げていったのでしょうか?
軌保:映画『107+1〜天国はつくるもの〜』の挿入歌で使われ、その映画の上映と共に全国を回った時にがっちりその映画のファンの人の心を掴んだんだと思います。あとは、あぁだこうだと言う前に人に会いに行ったからですね。多くのバンドは過去のやり方にとらわれて、聞いてくれる人がいるのにそこまで届けにいかなかったから、聞いてもらえなかったんだと思っています。例えば、山の頂上でライブをしてても誰も来ませんよね。しかし、街に降りて路上で歌えば人がいる分だけ聴いてもらえるわけで、おかんはただそれを実行に移しただけなんだと思います。