『HARE NOVA FINAL !!!!!』ライブレポート「原石としてどれだけ面白いものを持っているのか」

橋鼠

橋鼠

 

 今回の『HARE NOVA FINAL!!!!!』最大のサプライズと言い切ってしまっていいだろう。これが人生初のライブだったという橋鼠、16歳。初のライブにしてドラマーに鈴木浩之(U&DESIGN, ex.ART-SCHOOL)、ゲストボーカルにアイドルネッサンス石野理子というサポート陣も破格だったが、何よりも破格だったのはその楽曲のクオリティとパフォーマンス。いわゆるボカロ系エレクトロニカなサウンドなのだが、もうこの時点でそのまま音楽シーンの最前線で通用する多彩な楽曲群と、それを敢えて自身で歌い踊るという勇気。会場全体に大きなざわめきが広がっていった。

■ゲストウォッチャーコメント
原田公一「こういう音楽性でありながら、生ドラムでパフォーマンスをしようと思ったことがまず素晴らしいと思いました。歌詞も曲も年齢をまったく感じさせなくて、本当にこれからが楽しみな才能ですね」
タカハシヒョウリ(オワリカラ)「規格外ですね。できれば、その才能を純粋培養していって欲しいなと。これから歳をとっていくと無駄なことを考えるようになるかもしれないけど、君は才能があるからその必要がないと思います。無駄なことを考えずに、これからも楽しく音楽を作っていってください」

絶景クジラ

絶景クジラ

 

 晴れて、この日の『HARE NOVA FINAL!!!!!』に出演した6組の中から9月20日に日比谷野外大音楽堂で開催された『顧問豊作』 YO-KING dayのオープニングアクトに選出された絶景クジラ。彼女たちが初めて『HARE NOVA』のステージに立ったのは今年5月に開催されたVol.02のこと。その時はフロア狭しと暴れまくってそのパフォーマンスのインパクトでオーディエンスを掴んでいったが、この日のステージは真っ正面から演奏力で勝負。バラエティ豊かな楽曲同様、バンドの見せ方においてもいくつもの引き出しを持っていることを証明してみせた。

■ゲストウォッチャーコメント
中山道彦「3ヶ月前とはまったく別のバンドを見ているような気持ちになりました。単純に成長や進化をしたというよりも、やりたいことが変わってきたのかなと。また半年後に見たらまったく違うバンドになっているような気がして、それがとても楽しみですね」
タカハシヒョウリ(オワリカラ)「とてもいいバンドだと思うんですけど、だからこそ言っておきたいことがあって。小説で言うと、綺麗な表紙があって、いいストーリーがあって、文章も上手いんだけど、文体がまだないと思いました。そのバンドだけの文体があって、初めてプロと言えるんじゃないかなと。すいません、難しいことを言って」

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