ゲスの極み乙女。はなぜ急激にブレイク? ステージングの巧さと音楽性から分析

「川谷の歌声は、線が細く透き通った声で、indigo la Endではクリーンな音とともに、情景を浮かび上がらせるようなものとしてマッチしていた。しかし、ゲスの極み乙女。では、そんな綺麗な声で毒々しいことを歌うというアンバランスさを見せ、それが良い方に作用したとも言えるでしょう」

 ライブ時のステージングの巧さ、メンバーの立ち振る舞いの魅力も際立っている。

「彼らのように4人が4人ともキャラの立っているバンドは珍しいですね。例えば、天然キャラのちゃんMARIは『コポゥ』というお決まりのフレーズがあったり、課長はお客さんもイジりやすい愛されキャラですし、いこかはサディスティックな女王様キャラが定着していたりと、フロントマン以外が全員キャラ立ちしているバンドは他にそういません。そして川谷自身も、観客を飽きさせない話術に長けています。彼らのステージングが見たいからライブに来ているというお客さんもいるのではないでしょうか」

 最後に、先日のZepp Tokyoでのワンマンライブと、新作『猟奇的なキスを私にして/アソビ』に入っている楽曲「だけど僕は」が、今後の彼らにとって大きな転換点になるのではと金子氏は語る。

「この日のライブでも一曲目に披露した『だけど僕は』は、川谷が初めてゲスの極み乙女。で自分自身のことを歌った楽曲です。本来、パーソナルなことはindigo la Endの楽曲で、ゲスの極み乙女。では社会に対する批評的なことを歌っており、ある種キャラクターや方向性をガッチリ決めて作る同バンドで、自然に自分自身が出せる楽曲を作ったというのは大きな転換点だと思います。10月29日発売のアルバムでは、ポップさを出しつつも、より川谷の素が出てくるのではないでしょうか」

 今後、アルバムリリースに伴うライブ活動に加え、テレビをはじめとするメディアにより多く登場することが予想される彼ら。引き続きその動向を追っていきたい。

(文=編集部)

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