ターボ向後のマニアック音楽シーン探訪
アヴィーチー、プロディジーらが“音作りの方法”を解説 傑作ビートメイキング映像まとめ
インターネットを通じて、個人の技術・アイデアを多くの人達と共有し、新しいモノを生み出していこうという機運が日本でも高まっている昨今。こうした動きは音楽、特にダンスミュージックやヒップホップなどのジャンルにおいても盛んである。
今回、ご紹介する「ビートメイキングビデオ」と呼ばれる一連の映像作品群は、トラック制作の過程をシェアすることにより、ビギナーがそこから制作方法を学ぶことができるだけではなく、各制作者独自の手法を視覚的にも楽しめるもので、インターネットの発達以降、ひとつの映像文化として根付いてきた。
「あの音はこんな風に作っていたのか!」と目からうろこ、音楽好きならきっとタメになるチュートリアル系ビートメイキング・ムービーの傑作を観てみよう。
1時間にも及ぶアヴィーチーのEDM講座
今年の10月、遂に初来日を果たすEDM界一の人気プロデューサーアヴィーチー。そのポップセンス溢れるダンスサウンドは、EDMシーンを超えてマドンナ、レニークラビッツ、コールドプレイといったロック系アーティスト達も魅了している。そんな彼が、自らのトラック作りの方法を克明に解説した1時間オーバーのビートメイキング映像がこれだ。
彼の代表曲のひとつとなっている「Eric Turner vs Avicii - Dancing In My Head」の作り方を、アヴィーチー本人が自分のスタジオで説明していく本作。使用しているソフトシンセが判明するなどの発見も多いが、それに加えて初心者にもわかりやすく、一つ一つ丁寧に音作りの方法を明かしていく様子も印象的。彼の「人の好さ」までわかる、ほのぼの系の傑作チュートリアル映像といえよう。
プロディジーサウンドの秘密を解き明かす
『Invaders Must Die』以来5年ぶりとなる新アルバムを、2014年中に発売することを公表したザ・プロディジー。衝撃のデビューから20年余り、時代に合わせてそのサウンドは変化を遂げているが、その根本は今もやはりサンプリングによるトラックメイキングである。その緻密で大胆な音作りを公開したのがこちら。
代表作である「Smack My Bitch Up」のサンプリングソースと、普通なら秘密にしておきたいDAW(DESKTOP AUDIO WORKSTATION、パソコンで操作できる音楽ソフト)上での加工の仕方までを完全に解説したこのムービー。公開時には大反響を呼んで「バイラルムービー」化し、現在までの再生回数は230万回を超えている。