倖田來未、再メガブレイクの日は近い? クールなパフォーマンスを見せたホールツアーレポ

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 今年の3月に倖田來未の最新アルバム『Bon Voyage』が一位を獲得した時、自分はこの(「テレビ」から「ライブ」へ――倖田來未のALチャート1位に見る、Jポップの主戦場の変化)ような原稿を書いた。これは、出産後にテレビをはじめとするメディア上での露出が極端に減りながらも、かつてのセールスパワーとライブにおける動員力を維持している倖田來未の状況を客観的に分析をして書いた原稿だったが、これを読んだ倖田來未のスタッフから、是非現在のツアーをその目で見て欲しいと連絡をいただいた。

 自分が足を運んだのは、ツアーも終盤を迎えた7月24日の東京国際フォーラム公演。これまでもイベントなどでは何度か倖田來未のステージを見たことはあったが、実はフルセットのライブを見るのは初めて。アルバムタイトルと同様に『Bon Voyage』と銘打たれたツアータイトル通り、豪華客船が模されたステージセット。宙吊りにされた巨大な錨に乗って現れる倖田來未。さらにステージ全体が動きだし、客船の先端が現れる。ホールライブとしてはこれが臨界点と思えるようなステージセットのスケールに、まずは圧倒された。

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 ライブ本編は三幕に分かれていて、まずは新たな旅立ちを華々しく祝福するような明るくてポップな第一幕、続いてメドレーも交えながら近年の代表曲を連発していく第二幕、そしてEDM的なクールなダンストラックを中心に演出もグッとワイルドになる第三幕。多くの人のイメージ通り、その三幕を通して最初から最後まで倖田來未は歌いまくり踊りまくるのだが、少々意外だったのは、決してこれ見よがしに歌い上げることもなく、ダンスもバキバキに踊りまくるということもなく、あくまでも様々な趣向を凝らしたステージの全体を見せていくというバランスを保っていること。ステージ上でポップスターとしての存在感を誇示するのではなく、総合芸術としてのライブパフォーマンスの中心にいるのが倖田來未、といった感じなのだ。

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