BiSが地下アイドルに与えた衝撃(後編) 姫乃たまがテラシマユフとの出会いを振り返る

 その時に初めてBiSのテラシマユフちゃんを見ました。たくさんの研究員に見守られているユフちゃんは、ソロの時から何ひとつ変わらずに清純で凛々しく、驚きとともに誇らしいような気持ちになったのを覚えています。一方で私は空調室に照明がないというので、暗闇に懐中電灯ひとつ立ててアコースティックライブをしました。真夏の怪談でも話しださん会場で汗だくで歌っていると、BiS終わりの研究員たちがなぜか流れてきてくださって、入場規制がかかるほどでした。

 映画撮影の待ち時間に話してくださった研究員のみなさんも含め、その節はありがとうございました。嬉しかったです。

 解散ライブには行きましたよ。チケットがとても余っているというので、油断して開演ぎりぎりに行ったら、長蛇の列でした。思わぬ待ち時間に口論になってしまったのか、カップルの彼女が「もういい!じゃあ私とプー・ルイと、どっちが可愛いの!?」と叫んで泣いていました。彼氏は困ったような顔をしていました。あの日私が見た、唯一泣いている人でした。

 多くのアイドルと地下アイドルにとって共通していることがあります。それはいまの活動が通過地点であるということです。涙より汗を多く流して、華々しく次の地点へと向かうBiSと研究員が、私にはとても眩しかったです。

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姫乃たま。

■姫乃たま
1993年2月12日下北沢生まれの地下アイドル。2009年より都内でのライブ活動を中心に地下アイドル活動を開始、2011年よりライターとしても活動している。他に司会やDJ、イベンターなど活動は多岐にわたる。

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