灰野敬二、MONO、THE 5.6.7.8'S……海外で支持されている実力派ミュージシャンたち
青文字・ゴスロリの歌姫 MOON 香奈
原宿系、青文字系の海外進出において、元祖とも言えるアーティストが香奈だ。2000年にデビュー、シンガーソングライターであり、アートワークや衣装を含めたヴィジュアル面全てを自らプロデュース。デザイナーやモデルとしての顔も持ち、ゴシックとロリータを結びつけた日本独自のゴスロリ文化のカリスマとして人気を得る。いち早く海外に目を向け、MOON KANAとして、ヨーロッパを中心とした本格的な海外活動を展開。不思議少女の放つ誰にも真似することのできない"Kawaii”は海外女子からも絶大な人気を誇る。
日本の大道芸ワンマン・バンド ICHI
最後は名古屋出身、日本とイギリスを股にかけ、ヨーロッパを中心に活動する一風変わったアーティスト、ICHIである。スティールパン、木琴、鉄琴、メロディカ、タップシューズ、風船、声、自作楽器…、などを一人で自在に演奏し、踊る姿は一人サーカス団、いや、それよりも日本古来のちんどん屋や大道芸見物小屋というほうがしっくりくるかもしれない。イギリス最大規模のグラストンベリー・フェスティバルに2年連続で出演するという実績も持つ。子供の頃『できるかな』のノッポさんに影響されたモノづくり魂は音楽のみならず、自作楽器や映像、アートワーク、自らの手によるオープンリールの録音作品までに至る。型にはまらない自由なスタイルは、聴いても見ても楽しい、まさに“音・楽”である。
今回取り上げたアーティストは近年の「クール・ジャパン」というよりも独自の海外展開やその分野におけるパイオニア的な存在だ。この先もさまざまなアーティストが世界に羽ばたいていくことだろう。日本人が海外で活躍することは、同じ日本人として嬉しいものだ。
■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログ/twitter