みみめめMIMIが切り拓く「音楽×ビジュアル」表現の最前線

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みみめめMIMI「サヨナラ嘘ツキ」のビジュアルイメージ。

 この5月にサードシングル『サヨナラ嘘ツキ』をリリースする「みみめめMIMI」は、シンガーソングライターのユカとイラストレーターのちゃもーいの2人によるユニットで、ジャケットなどに彼ら自身の顔はなく、ちゃもーいのポップなイラストが付けられている。

 FACTとかMAN WITH THE MISSIONとか、あとはもちろんBEAT CRUSADERS(既に懐かしい?)とか、あるいはsupercellとかさよならポニーテールとか相対性理論とか、最近はこういう「顔を出さない」ミュージシャンがけっこうな数いる。みみめめMIMIもそうした存在のひとつだと言っていいだろう。ではこのユニットは他と比べてどういう特徴があるのか。

 みみめめMIMIに付けられているイラストはポップなアニメ調のものだ。そういう意味で、このユニットを単純に「二次元になりたい」みたいな倒錯を志す、どちらかというとイタいものだと考える人もいるだろう。あるいは、こういうユニットが顔を出さないことについて、ことさら匿名的なネット世代だとか言おうとするような論調もある。

 だが、それは間違っていると思うのだ。みみめめMIMIで言えば、ここに付けられたイラストは、ユカをイメージしているというよりは、その声やアニソンとして王道のコンポーズ感がある楽曲に添えられていると言った方が正しい。たしかにこういう表現はネット的なものだ。しかし、実はミュージシャンが音に付属させるビジュアルイメージとして、イラストなどを媒介に選んでいるだけと考えることもできる。つまり動画サイトなどの普及によって、ビジュアルイメージを付属させて音楽を消費することが重視されるようになっているため、そのような表現が増えているのではないか。そういった意味においてこそ、彼女たちの存在はネット的であるのだと思う。

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