エビ中、新体制パフォーマンスはどう受け止められた? メンバー“転校”から見えたグループの強み

 もうひとつ素晴らしかったのは新曲「アンコールの恋」。エビ中には珍しいド直球なアイドル歌謡で、2回目のサビがやってくる頃には既にその魅力に取り憑かれていた。これほどの曲をシングルのカップリングに持ってくるというエビ中制作陣の相変わらずなひねくれっぷりに拍手を送りたい。楽曲よりもライブに重きが置かれつつあるように見える現在のアイドルシーンだが、時代を制したアイドルはいつだって素晴らしい楽曲を歌っていた。コアな楽曲派だけでなく、あくまでも一般リスナーに向けて、良質でちょっと変わったアイドルソングを安定的に供給し続け、そして、強烈で魅力的なキャラを8人も擁するエビ中の存在は奇跡に他ならない。

 あまり考えたくはないが、グループから卒業するメンバーはこれからもいるかもしれない。いや、きっといるだろう。しかし、私立恵比寿中学という存在が固い絆で結ばれていることを今回の一連の流れで証明した今、我々はもう何も恐れることはないのだ。

 エビ中は本当に素晴らしい歌とパフォーマンスを届けてくれている。それなのに、世間の評価はまだまだ追いついていない。ライブに関して「今ぐらいの規模感でいい」というファンもいるが、もっと多くの人に見つかってもいいはず。それだけの魅力が彼女たちにはある。別に8人が実力派集団だと言いたいわけではない。むしろ、「おいおい、大丈夫かよ」と思わせる場面だってしばしばある。だけど、ルックスや、歌やダンスの上手さだけでは測れない、不思議なサムシングを持つメンバーに心惹かれずにいられないのだ。その特異な存在感ゆえ、間口は決して広くはないかもしれないけど、8人の今後にぜひ注目してみて欲しい。

■阿刀 “DA” 大志
75年生まれ。某パンクレーベルにて宣伝制作を10年以上務めた後、12年からフリーランスに。現在は執筆業を中心に、プロモーター、音楽専門学校講師など、音楽に関わるあらゆる分野で雑食的に活動中。

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