嵐、大学講義の題材に ジャニーズの文化的側面を研究する意義とは
この春から明治大学法学部で開講されたある講義がネットを中心に話題となっている。社会心理学の自由講座の枠内で行われているこちらの講義、なんと人気グループ「嵐」を題材にして行われるという。講義を担当する関修氏は、シラバス(講義要項)に次のように記している。「社会心理学の講座として始まった本講義も今年で二十年の節目を迎えた。セクシュアリティについて講義して欲しいとの要望を、それなら楽しんでもらおうとSMAPなどを題材に用いたのが始まりである。今年は結成十五年を迎えた「嵐」を取り上げようと思う。時代は確実に嵐であるから。嵐ブレイクの理由などを考察してみたい。その際、もちろん映像を多用し、比較という手法を用いる。さらに、文化研究の基礎となる精神分析・現代思想について概説する」。
「時代は確実に嵐である」とする大学講師の存在にもまず驚かされるが、その授業内容がまた興味深い。シラバスによると全15回に渡る講義で「ジャニーズという文化」や「嵐のメンバーの比較」「嵐のPVの変遷、ブレイク以前/以後」「コンサートに見る嵐」「嵐とJ-POP」「嵐の時代は続くのか」といったテーマを分析していくという。嵐ファンでなくても、音楽ファンからしたら非常に惹かれる内容だ。
最近ではAKB48やももいろクローバーZ、でんぱ組.incなどのいわゆる「アイドル批評」が盛んだが、意外にもジャニーズを対象としたものは少ない。「ジャニーズ研究本」と名打った書籍は数あれど、その多くはメンバーのパーソナリティに焦点を置いたもので、彼らの音楽を真摯に分析したものや、文化的側面について扱ったものは数少ないのが現状だ。それではなぜ、ジャニーズはこれまであまり分析の対象とされてこなかったのだろうか。