岡島紳士のアイドル最新マッピング 第3回せのしすたぁ
SMAPに影響されたリアルGMT!? 福井県のロコドル せのしすたぁ登場
耳の早いファンがネットや口コミを通じ、勝手に情報を拡散
ネットが普及し、YouTubeなどの動画共有サイトが一般的にも浸透している今、新人のアイドルにとって、メジャーもインディーも地方も首都圏も、活動開始時にはほとんど関係がない。どこか秀でたところがあれば、耳の早いファンがネットや口コミを通じ、勝手に情報を拡散してくれる。アイドル好きで知られるタワーレコードの嶺脇社長も、昨年夏にせのしすたぁの音楽を知り、すぐさま自らのイベントで曲を掛けたという。
そんなアイドルファンの間で注目度が高まっているせのしすたぁだが、結成はなかなかゆる~い感じだったようだ。
ゆうほ:まず私が先に2012年にami~gasに入ったんですよ。地元のショッピングセンターアルプラザ・アミが発信するグループとして募集されてたのを、地元のテレビCMで見掛けて、応募したのがきっかけです。最初はアイドルグループっていう告知じゃなかったけど。
まお:ボイトレの先生がつくとか、メイクアップ講座とか、ダンスレッスンがあるとか書いてあったけど、何もなかったよね。
ゆうほ:そう。それで結成の時に「アイドルになる」って初めて聞かされて。でも元々アイドルの振りコピとか好きだったし、やってみようってなって。何故か振付まで担当することに(笑)
まお:私はゆうほと友達だったから、なんか楽しそうだし、部活もやめてヒマだしって思って、応募してみたんです。元々目立ちたがり屋だったし。歌もダンスもなんもやったことなかったけど。
ゆうほ:途中で瀬乃∞しすたぁもやることになって。2012年10月からは平仮名の「せのしすたぁ」に表記が変わって、今に至ります。
まお画伯の描く"サイコ"なイラストもインパクト大!
初CDにして1stアルバム『I'm sick !!!』は音源もさることながら、全面イラストのジャケットもインパクトがある。ぱっと見は可愛い女の子だが、よく見るとイラスト自体黒一色で、至るところに目が描かれていたりと、おどろおどろしい雰囲気がある。「サイコ絵」や「サイケデリックアート」と呼ばれるジャンルに近いが…これを手掛けたのはメンバーのまお自身だという。
まお:中3くらいの時に、こういう絵を学校の授業で最初に描いて。美術の先生に「こういうのもいいね」とは言われたけど、あんまり褒めてくれなかった。周りから「ちょっと気持ち悪いよ」って言われて。でも森永さんに見せたら「いいじゃん!」って褒めてくれたんですよ。
ゆうほ:わざとじゃなくて、ナチュラルにこういう絵を描いてたんだよね。
まお:そう。少女マンガみたいなのは描けないし。サイコ絵って言葉も今初めて聞きました。元々デザイナーになりたくて、デザインの勉強のために東京に行きたかったってこともあるし、ジャケを書かせて貰えたのは嬉しかったです。
ユンボで壁を壊してステージに登場したい
「今後の目標は?」と聞くと、「ワンマンを地元でやりたい!」と2人とも口を揃える。せのしすたぁのライブといえば「客席に降りてお客さんに囲まれて歌う」「『(まおが曲の間中ずっと)オレにケチャしろ』と客を煽りながら呟き続ける」など、破天荒なパフォーマンスが多い。衣装もシャツにネクタイ、パンツスタイルで、紙袋を被っていることもあり、アイドルとしては独特。さらにまおは「ユンボで壁を壊してステージに登場したい」という夢をTwitterでつぶやき語り続けている。
ゆうほ:まずは全国の都道府県を全部回ってライブがしたい。せのしすたぁは曲もいいけど、ライブもいいから。
まお:ライブは純粋にうちらが楽しんでるんです。うちらが楽しいから、お客さんがその「私たちのほんとの素のところ」を見て、一緒に楽しんでくれる。可愛くないってちょっと思っちゃうかもしれないけど、それでもきっと楽しいから、絶対ライブに来て欲しい。
ゆうほ:それで、まずは地元でワンマンライブをやることだよね。
まお:普通は地元から東京へ、だけど、私たちは東京から地元に逆輸入みたいな感じで。とにかくいろんな場所でいろんな人たちに聴いて貰いたいです!