匿名的アートワークと生身パフォーマンスの「ねじれ」が魅力? パスピエが今注目されている理由
一度聴いたらクセになる、掴みどころのない曲展開と言葉遊びの効いた歌詞、謎めいたアートワークで、急速に知名度をアップさせている若手ポップロックバンド、パスピエ。ライブには彼らを一目見ようと、年齢やジャンルを問わず幅広い客層が訪れているが、なぜ彼らはそこまでリスナーに注目されているのだろうか?
パスピエというバンドが注目されている理由としては、大きく3つの要素から成立する「ねじれ」に魅力を感じるリスナーが多いのではないだろうか。1つ目は大胡田なつきのボーカルとアートワーク。2つ目は成田ハネダの作る多様性のある曲、3つ目はライブで見せる躍動感のあるパフォーマンスだ。これらが重なることにより、聴き手にとっては本質を見抜くことが容易ではない、一つのねじれをもったバンドとして成立しているといえるのかもしれない。
3月26日(水)にリリースした両A面シングル『MATATABISTEP / あの青と青と青』の発売に合わせて、“MATATABISTEP発売記念企画 其ノ壱”として、大胡田なつきによる「大胡田Nのネコ描いちゃった #MATATABISTEP」という企画も行われる。この企画は、大胡田なつきのオフィシャルTwitterをフォローしたのち、3月28日(金)20時~23時の間にネコ化してほしい画像をハッシュタグ「#MATATABISTEP」でツイートする形で投稿を募集。その中からボーカルの大胡田なつきがチョイスしたものを、リアルタイムでイラスト化し、上記Twitterアカウントで発表するというもので、彼女のアートワークの魅力を楽しむには打ってつけの企画といえよう。
また、彼女のキュートなボーカルは、彼女たちが世間に知られるきっかけとなったファーストアルバム『わたし開花したわ』が全国で展開された際に、『YUKI×相対性理論』という手書きPOPを様々な店舗で見受けられたことからも、多くのリスナーに中毒性があるものとして受け入れられたことが伺える。
そして、全ての作曲を手掛ける、キーボードの成田ハネダの存在も大きい。彼は幼いころよりクラシック音楽を学んでいるうえ、印象派の音楽やテクノポップ、70~80年代のジャパニーズ・ニューウェイヴをこよなく愛し、最も尊敬するアーティストに矢野顕子を挙げるなど、幅広い音楽的背景を持っている。成田はスタート段階のパスピエにおいて、「印象派×ポップ・ロック」というコンセプトを掲げており、その理由として「印象派が何で好きかっていうと、コード感だったり、すごく複雑な音階とか和音が組み合わさってるんだけど、聴いてて心地がいいんですね。それをただ楽曲としてだけじゃなく、ポップロックとして消化できないかと思って」(参考:CINRA.net)と語るなど、明確な音楽的ビジョンを持ってバンドの舵取りを行っているのだ。
ライブでのパフォーマンスについては、普段とのギャップがファンに強い刺激を与えているようだ。MVやアートワークでは一切顔を出さない彼らであるが、ライブの場では生身の身体で躍動感あふれる演奏を展開する。高い演奏能力にも定評があり、ライブが音源では味わえない体験の場となっていることが、次々とリピーターを生んでいる一因でもあるだろう。
彼らは、素顔を見せないアートワークやMVなどで視覚的な情報をコントロールし、聴き手に解釈する余地を残した、多様性のあるポップロックを作り上げている。さらに、ライブの場で躍動感あふれるパフォーマンスを披露することにより、リスナーはパスピエというバンドの本質がどこにあるかを見抜けないまま、ますます謎めいた世界へと引き込まれていくのだろう。
ニューシングル『MATATABISTEP / あの青と青と青』では、跳ねるようなテンポのスラップベースが印象的なニューウェーヴ調の「MATATABISTEP」や、交響曲にニューウェイヴとファンクを足したような展開を見せる「あの青と青と青」など、昨年リリースした『演出家出演』とは違った一面を覗かせている彼ら。その本質を掴むのは、やはり容易ではなさそうだ。
(文=中村拓海)
■リリース情報
『MATATABISTEP / あの青と青と青』
発売:3月26日
価格:通常盤 ¥1,000(本体)+税 初回限定盤 ¥1,250(本体)+税
※初回限定盤はWジャケット仕様(ミニポスター型歌詞カード封入)+「LIVE音源4曲を収録したbonus disc」付
<収録内容>
・DISC 1
01 MATATABISTEP
02 あの青と青と青
03 万華鏡
04 Shangri-La
・DISC 2(※初回限定盤特典)
01. S.S (2013.11.2 Live at LIQUIDROOM)
02. プラスティックガール (2013.11.2 Live at LIQUIDROOM)
03. デモクラシークレット (2013.11.2 Live at LIQUIDROOM)
04. 電波ジャック (2013.11.2 Live at LIQUIDROOM)
■ライブ情報
パスピエ自主企画『印象C』
2014年4月17日(木) 名古屋・CLUB QUATTRO 出演:パスピエ / 髭
2014年4月18日(金) 大阪・BIG CAT 出演:パスピエ / クラムボン
2014年4月21日(月) 東京・SHIBUYA-AX 出演:パスピエ / 9mm Parabellum Bullet
上記、全公演SOLD OUT
4月17日(木) 名古屋・CLUB QUATTRO
出演:パスピエ / 髭
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
http://www.sundayfolk.com
4月18日(金) 大阪・BIG CAT
出演:パスピエ / クラムボン
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)GREENS 06-6882-1224
http://www.greens-corp.coj.p
4月21日(月) 東京・SHIBUYA-AX
出演:パスピエ / 9mm Parabellum Bullet
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
http://www.sogotokyo.com
■企画概要
『マタタビ・スケッチ企画 HP』
http://passepied.info/special.html
『MATATABISTEP発売記念企画 其ノ壱』
パスピエ大胡田なつき降臨 「大胡田Nのネコ書いちゃった #MATATABISTEP」
日時:3月28日(金)20時~23時
概要:大胡田なつきのオフィシャルTwitterにて実施時間中、
リクエストされたお題を本人直筆でネコ化。上記アカウントで発表します。
応募要項:大胡田なつきのオフィシャルTwitterをフォローしたのち、
ハッシュタグ「#MATATABISTEP」を入れて、ネコ化して欲しいものの名前や画像をツイート。
※尚、肖像権の侵害とあたるものはリクエストを頂いてもネコ化出来ませんので予めご了承ください
『MATATABISTEP発売記念企画 其ノ弐』
パスピエ 大胡田N 謹製SNS着せ替えアイコンをダウンロード・プレゼント
※3月25日(火)~4月16日(水)の間、オフィシャルHPにてダウンロード可能