V系シーン“耽美派”の代表格 KAMIJOのソロ・デビュー作が長編交響曲となった理由
Versaillesのボーカル・KAMIJO が、3月5日に長編交響曲のミニアルバム『Symphony of The Vampire』でソロ・メジャーデビューする。同作は全7楽章、1,103小節で構成され、28分を越える大作となっている。
また、ミニアルバム発売当日、ニコニコ生放送では、ソロ・メジャーデビューを記念して、KAMIJOの歴史を紐解くスペシャル番組の放送が決定。Music Videoやライブ映像で、Versaillesのデビューから活動休止、そしてKAMIJOソロデビューまでの軌跡を追うほか、『Symphony of The Vampire』について、KAMIJO本人が語るとのことだ。さらに、VersaillesのギタリストであるHIZAKI(Jupiter)もゲスト出演。番組の最後にはプレミアム会員限定のトークコーナーも放送される予定となっている。
1999年、LAREINEのボーカリストとして、シングル『Fiancailles』でSME Recordsよりメジャーデビューを果たしたKAMIJO。しかし、2000年にはKAMIJO以外のメンバーがLAREINEから脱退、ひとりでLAREINEとしての活動を続けるとともに、自身の音楽レーベルAPPLAUSE RECORDSを立ち上げた。2001年にはLAREINEを一時休止し、新バンドNEW SODMYを結成。2003年にはLAREINEとして活動を再開するも、2006年には再び活動休止、自身の新レーベルSherow Artist Societyを設立する。2007年にはVersaillesを始動させ、2012年末まで活動を続けた(現在は活動休止中)。そして2013年よりソロ活動を開始し、今回、自身3度目となるメジャーデビューを果たした。
レーベルの代表取締役や、摩天楼オペラなどのバンドのプロデューサーとしても活動するなど、豊富な音楽キャリアを持つKAMIJO。ヴィジュアルシーンに詳しい音楽ライターの藤谷千明氏は、彼のキャリアと作風について、次のように語る。
「キャリアだけを見るとさまざまな活動を展開しているようにも思えるKAMIJOさんですが、彼の中では一貫しているのではないでしょうか。LAREINE時代は『ベルサイユのばら』の主題歌である『薔薇は美しく散る』のカバーをリリースし、ジャケットイラストを原作者である池田理代子さんが手がけ、彼らを絶賛しています。また、Versaillesでは『薔薇の末裔』をコンセプトにしており、一部の例外はあるものの、楽曲のほとんどが連作となっています。そして今回のソロ活動では、フランスの国王ルイ16世・17世と、ヴァンパイアを題材に、独自のストーリーを編み出しています。18世紀の頃のフランスやヴァンパイアをモチーフに、コンセプチュアルでストーリー性のある世界観を作り上げるのは、彼の得意とするところ。アニメにも共通するような非日常的な表現は海外でも評価が高く、フランスを中心に世界中に多くのファンがいます。バンドが変わってもメイクが薄くなったりせず、V系シーンの中でも王道的な耽美派として歩み続けてきた印象です」