マエケン、奇妙、ジャンク……男性シンガーソングライターの「新しい波」を追う
2013年は、ここ数年続いていたウタウマ系男性アーティストの波が一段落し、個性的なシンガーソングライター(SSW)たちに注目が集まった一年だったように思う。とはいえ、一口に「個性的」と言ってもそのスタイルや世界観はさまざま。ここでは、その代表選手たちをまとめて見ていきたい。
■前野健太
自ら「ボブ・ディランのマネ」と言い切るサングラス姿がトレードマーク。シンプルな弾き語り風サウンドと詩的な歌詞は井上陽水っぽくもあり、新時代のフォークソングの旗手と目されている。映画監督・松江哲明によってドキュメンタリー『ライブテープ』が製作されたり、2011年にはみうらじゅん賞を受賞するなど、クリエーターからの支持も厚い。
■奇妙礼太郎
自身の名前を冠したバンド、「奇妙礼太郎トラベルスイング楽団」で活躍中の37歳。ほのぼのとしつつも、どこか切ない独特の歌声が、一度聞いたらクセになると話題に。まるでジプシー音楽のように無国籍なサウンドも、ありそうでなかった新鮮な感覚。2013年は各地のフェスにも精力的に参加し、ファン層を拡大した。
■レキシ
元SUPER BUTTER DOGや100Sのキーボーディストとしても知られる池田貴史のソロユニット。アフロヘアに袴姿という強烈な風貌で、日本の歴史に着想を得た楽曲を演奏する。ラップあり、ファンクあり、壮大なバラードありとジャンルレスなサウンドの楽しさもさることながら、ライブでのMCも絶品。