KESEN ROCK FESTIVAL、震災後3回目の開催決定 「地元愛フェス」はどう育まれてきたか

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昨年行われた『KESEN ROCK FESTIVAL’13』開催直前の模様。手作り感があふれるステージも魅力だ。

「今回は震災後3回目の開催になるので、お陰様で落ち着いて心の準備をさせてもらっています。KRFに関しては、あえて震災の色は強く出さないようにしているんです。知名度という意味では震災以前とは全く変わって、チケットも売れるようにはなったんですけど、KRFは地元に対する気持ちを打ち出しているフェス。地元の人は日々震災とともに生活をしているから、『その日くらいは忘れましょうよ』という考えの方が強いですね」

 前述の通り“不便”な場所で開催されるKRFだが、集まるオーディエンスはどのような地域から集まってくるのだろうか。そして地元との繋がりとは、どのような形で表れているのだろう。

「お客さんは半分くらいが岩手から来てくれてて、あとは仙台あたりまでの人が多いので、3分の2くらいは東北の人だと思います。でも九州から来てくれる人とかもいますね。出店する飲食ブースなども、地元の地場産品を出していくというのが特色になっています。もともと運営が地元の商工会や青年会に所属しているメンバーで構成されているので、地元に対してやれることをしていこう、としていて。大手のコカ・コーラも出していますが、地元の営業所のコカ・コーラが来ているので、100パーセント地元のお店だけの出店となっているんです」

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方言で書かれた旗からも地元愛が伝わる。

 地元を愛し、地元に愛されるKRFの一番の魅力とは?

「関係者を含めて3000人くらいで行っているフェスなので、客観的には“狭い”というのが一番KRFらしいのかなと思います。KRFを立ち上げた当時のお客さんは2000人いるかいないかくらいで、スペースも余裕があって、その頃の色が、今もお客さんにとってはKRFの色みたいで。経営的にはちょっと厳しいんですが、お客さんにとってはその“ゆるさ”がKRFみたいなので、その辺を考えるとあまりギツギツにはしたくないなと思います」

 出演者についてはまだ発表されていないが、開催発表後はKRFファンから大きな反響があったという。

「KRFは今年もKRFだ、ということを徹底してやりたいです。環境的には過酷な部分もありますが、それがKRFだと思うし、運営も含めて、毎年同じ運営メンバーで同じことをやって無事に終わらせるというのがKRFなのかなと思っています。出演するアーティストさんにもご期待いただきつつ、今年も“夏休み”を楽しみに来てほしいです」

 自然の中で音楽と触れ合う、想いの詰まった地元愛フェス、KESEN ROCK FESTIVAL。地域の活性化という意味に留まらず、故郷への想いを再確認できる場所として、これからもさらなる発展を遂げていくことだろう。
(文=岡野里衣子)

KESEN ROCK FESTIVAL’14
開催日時:2014年7月19日(土)CAMP NIGHT’14
2014年7月20日(日)KESEN ROCK FESTIVAL’14
開催場所:種山ヶ原森林公園種山ヶ原イベント広場 特設ステージ
     岩手県気仙郡住田町世田米字子飼沢30−39
HP:http://www.kesenrockfes.com

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