「フリースタイルバトルだけでは食べていけない」Zeebraが身をもって知った、メジャーシーンに切り込む重要性

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Zeebra『BASED ON A TRUE STORY』(ポリスター)

――そういう意味では、高校生に限定して、高校生が今後に向けて名を売る場であり、こちらもその競技を純粋に楽しめる場にしたというのは、理想かもしれないですね。

Zeebra:そうですね。さっき話した“突っ込んでいった”時に出会った人たちとは、そこからずっといい付き合いをしている。仲間ですね。それを作るのは一番大切かもしれない。ライバルであり、戦友でもある。高校生たちも、今大会で出会ったヤツらをそう思っているんじゃないかな。高校を卒業したヤツもいるじゃないですか。高校生活の中で、『RAP選手権』という場があって、そこで一緒に戦った仲間みたいな感じ。そういう場があって、切磋琢磨するのは全体のレベルが上がる。自分や自分の周りではすごいと思っても、大枠に出してみたら甘かった、と思うこともある。そういった経験をできることは大切だと思う。

――Zeebraさんが数年前におっしゃられた言葉で、私が好きな言葉があります。「今すぐ学生全部をB-BOYにしたい。だから、批判を受けようと、いろいろな場に出て行く」と。『RAP選手権』出場者は、その頃の小学生だった世代だと思いますが、実際に触れ合ってみていかがですか? ヒップホップは根付いたでしょうか?

Zeebra:お父さんみたいな気持ちしかない(笑)。うらやましい。俺も今の時代の高校生になりたいなーって。高校でフリースタイルバトルやりてぇなーって思います。俺がいま高校生だったら、高校を仕切って、全部右向け右にさせる。文句も言わせない(笑)。日本語でラップする行為は根付いたと思います。アイドルだってラップする。日高(光啓、AAA:SKY-HI)みたいなちゃんとしたヤツもいれば、本当のアイドルラップもある。ただ、ヒップホップの楽しみ方は2~3割しか伝わっていないかな。ヒップホップっていうジャンルの楽しみ方が広まれば、さらに面白くなると思いますね。その楽しみ方のひとつがライミングだったりすると思うので、この『RAP選手権』で、バトルのスリリングな競技っぽい感じが広がればいいんじゃないかな。

――では、この『RAP選手権』は、日本のヒップホップのシーンにも十分に寄与しているということですね。

Zeebra:もちろんです。みんな喜んでるし、高校生だけではなくて、いろいろなアーティストもピックアップしてくれている。今の若いヒップホップアーティストには、いろいろなタイプがいるじゃないですか。その中で端から端まで、尖ったところをピックアップしてくれている。やっぱり、普通の番組は局やスポンサーの意向があっていろいろ難しいところがあるけれど、この番組はその間口を広げてくれた。そのおかげでいろいろなアーティストを呼べた。だから誰が見ても、番組に説得力もあると思います。9月21日、楽しみにしていてほしいっすね。

***

 インタビュー終了後、Zeebra氏やマネジャー氏と「KREVAをフリースタイルバトルで一番追い込んだのはMOTOYだよね」「2002年の般若は、会場を完全にロックしていた。なんか言葉の熱さが伝わっていた」と雑談に花が咲いたが、『BAZOOKA!!!第4回高校生RAP選手権全国大会』でも、そういった“伝説”が生まれるはず。そして、それは会場にいないと伝わってこない“熱”でもある。9月21日(土)、赤坂BLITZに足を運んでみてはいかがだろうか?

(取材・文=石井紘人[@FBRJ_JP]

●『BAZOOKA!!!第4回高校生RAP選手権全国大会』
日時:9月21日(土)16:00開場 17:00開演(予定)
会場: 赤坂BLITZ(東京都港区赤坂)
出演者:小籔千豊、真木蔵人、紗羅マリー、レイザーラモンRG
Zeebra、DABO、SIMON、DARTHREIDER、DJ KEN-BO
主催:スカパーJSAT株式会社
運営・制作協力:DISK GARAGE
お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)

BAZOOKA!!!公式HP

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