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“肉まんくん”から“ブッチャー”へ 快進撃を続ける矢本悠馬、年齢不詳のフレッシュさ

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 現在放送中のNHKの連続テレビ小説『半分、青い。』で、永野芽郁演じるヒロイン・楡野鈴愛の宿敵のライバル(!?)役・西園寺龍之介(通称・ブッチャー)に扮している矢本悠馬。彼は現在、映画やテレビドラマに引っ張りだこの存在なのだ。

 本作で矢本演じる龍之介は、鈴愛の同級生。小学生時代は、小太りな体型と意地悪な性格で、1970~80年代に大活躍したプロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーからとったあだ名「ブッチャー」と呼ばれていた。高校時代は、普通体型に戻ったものの、あだ名はそのまま。ガキ大将的な要素は薄まり、鈴愛や律(佐藤健)のよき理解者であり、ムードメーカーとして強い存在感を示している。

 矢本の一つの特徴として挙げられるのが、年齢不詳的なフレッシュさだ。現在27歳という年齢は、29歳の佐藤ほどではないが、実際の高校生からは10歳近く離れている。矢本は以前筆者が行ったインタビューで「精神年齢的に学生をやるのはエネルギーを使う。油断すると大人がやる学生の芝居になってしまう。まずは鏡の前で制服を着て、コスプレ感を払しょくするために、自分自身の脳を騙すんです」と冗談っぽく語っていたが、ブッチャーのフレッシュさは、じゅうぶん高校生として成立している。 

『ちはやふる -結び-』より (c)2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社

 本作に限らず、現在公開中の映画『ちはやふる -結び-』や、3月まで放送していた連続ドラマ『賭ケグルイ』(MBS・TBS系)、昨年公開の『ポンチョに夜明けの風はらませて』、『君の膵臓をたべたい』、2016年放送のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)でも高校生役を演じているが、キャラクター性が強い『賭ケグルイ』は例外として、気弱な面、情熱的な面、クールな面、素朴な面など、作品ごとに多感な思春期ならではの機微を巧みに表現している。 

ドラマ『賭ケグルイ』より (c)河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・ドラマ「賭ケグルイ」製作委員会・MBS

 もちろんこうした高校生役以外にも、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)では、柴咲コウ演じる直虎に仕える家臣・中野直之を演じ、内に秘める思いや葛藤を、繊細かつ力強く演じ切り、青臭くもありつつ大人な戦国武将を好演。多くの賞賛を受けた。また、映画『トリガール!』では、鳥人間コンテストを目指す大学サークルの設計責任者・古沢を演じたが、メガホンをとった英勉監督から「自由」を与えられた矢本は「悪ふざけ」をしまくりながらも、しっかりと作品の世界観を崩すことなく、大きなつめ跡を残した。

 矢本は、自身を「欲にまみれた俳優」と笑いながら語っていたが、その言葉通り、作品のなかで大きなインパクトを与える演技を見せるだけの大胆さがありつつ、過去のどの作品でも、しっかりと物語のなかに溶け込むキャラクター造形をしている。バランスが素晴らしいのだ。『君の膵臓をたべたい』で演じたガム君などは、北村匠海演じる主人公・僕の理解者という関係性を、数少ないセリフとシーンで成立させている。

      

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