吉田羊が見つけた、“母親にならない人生”の幸せ 『コウノドリ』第7話で流した涙

吉田羊が見つけた自分自身の生き方

 小松(吉田羊)は、子宮腺筋症と卵巣チョコレート嚢胞を患っており、卵巣ガンになる可能性があった。心配するサクラ(綾野剛)と四宮(星野源)は、子宮の全摘を勧める。母親になる人生と母親にならない人生。決断が迫られる小松に、サクラを始めとしたペルソナチームは、仲間として優しく手を伸ばす。一人ではない。『コウノドリ』(TBS系)第7話では、自分自身の生き方を見つけた小松と、仲間として彼女に接したサクラたちの選択が描かれた。

 明るく振る舞う小松だったが、内心は困惑していた。産休を経て産婦人科に復帰した倉崎(松本若菜)は、子供を理由に特別扱いをされるのを嫌っていた。女手ひとつで子供を育てる倉崎の姿に、「甘えたくても素直になれないのが女心なの!」とサクラと四宮に教える小松だったが、その言葉はそのまま小松にも当てはまっていた。

 小松は、20年間で助産師としておよそ4000人もの赤ちゃんと向き合ってきた。同期会で「新しい命を手助けする毎日に幸せを感じる」と話す小松。けれど、自分は一人スーパーに寄り、家に帰る毎日に寂しさも感じていた。「仲間だからこそ、どうしてあげたらいいのか」と悩むサクラは、“BABY”として小松にソロ演奏を披露する。サクラは「僕は小松さんにずっと助けられてきました。その恩は忘れません」と優しく接すると、小松は「私、決めたよ。悔しいけど、仕方ない。これが、私の人生だ」と空を見上げ、手術の決心をする。「あまり頑張りすぎないでください。頑張ってる小松さんも好きだけど、頑張ってない小松さんも大好きです。一人で全部抱え込まないで。みんな、小松さんの味方ですから」。苦しい時に手を差し伸べてくれる人がいる。小松は「私は恵まれてるね」と涙を流す。彼女は、人前であまり泣き顔を見せない。人との距離感を大事にし、頼られる存在であり続けようとしていたからだ。この涙は、優しくされなれていない小松が見せた本音の部分だったのだろう。

 手術直前、麻酔が効いてくる前に小松は「ちょっと待って」と言い、深呼吸をした。女性としての転機を迎える覚悟をした小松は「よし、大丈夫。お願いします」と自分で麻酔のゴーを出す。後に小松は見舞いにくる向井(江口のりこ)に「これで本当に一人で生きて行くことになる。寂しさより怖さがあった」と手術時の心境を語る。「私の中から、大事なものがなくなっちゃったけどさ。私には支えてくれる仲間がいる。それってさ、すげぇ心強いんだよ。仲間っていいよね」。小松は手放したものの代わりに、仲間の大切さに気づくことができた。

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