佐々木蔵之介、『コウノドリ』新シーズンでどう活躍する? 指導者としての演技への期待

『コウノドリ』新シーズンへの期待

 秋クールのTBS金曜ドラマ枠で「コウノドリ」の新シリーズが10月13日より放送される。

 同作はモーニング(講談社)で連載中の鈴ノ木ユウの漫画を原作にした、命が誕生する現場の奇跡と過酷さを描いた医療ドラマだ。産科医でありながら天才ピアニストでもあるという異色の経歴を持つ主人公・鴻鳥サクラを綾野剛、同僚の医師・四宮には星野源、ベテラン助産師・小松役には吉田羊、また後輩の新人産科医・下屋役には松岡茉優など、脇を固める魅力的な俳優陣は新シリーズでも健在だ。今回は一体どんなドラマティックな命の現場を見せてくれるのだろうか。

 前シーズンでは、未受診妊婦が出産するというスリリングな展開の第一話から始まり、事故で脳死判定を受けた妊婦の家族が妊婦である母か子供か、どちらかの命を選ぶという究極のエピソード、最終回では心肺停止の母体が帝王切開を行う“死戦期帝王切開術”というスペクタクルな手術を描くなど、圧倒的なリアリティで出産の過酷さ、尊さを見せてくれた。

 思わず目を背けたくなるような過酷な現場の様子、患者の様子が描かれ、ハッとした視聴者も多いだろう。しかしそれを包み込んでしまう柔らかい空気感がこのドラマの魅力だった。サクラの底知れぬ優しさを見事に表現した綾野の繊細な演技、ピアニストの一面を持つサクラが演奏するシーン(ピアニスト・清塚信也が演奏していることでも話題を集めた)、赤ちゃんを照らす、自然光に近い美しいライティングなどが、この“柔らかさ”を表現していた一因だと思うが、何より、出産というテーマを前向きに描いたという点が大きいだろう。過酷な現場のリアルさも追及しながら、医師も、看護師も、患者も、皆が命に対して真摯に向き合っていた。産まれた命に対して柔軟に向き合う姿勢が、ある種の“柔らかさ”を表していたのだと思う。

 先日、新シリーズに佐々木蔵之介が出演することが発表になった。佐々木が演じるのは荻島勝秀という人物で、産科過疎地の離島で総合医として一人患者と向き合っている医師という役どころだ。綾野扮するサクラと星野扮する四宮の恩師でもある。撮影地である島根県・隠岐の島の美しいロケーションも必見だ。

 また、佐々木が今回演じる荻島のポジションは映画『岳』(2011年)で演じた野田隊長と似ている点を指摘したい。『岳』では、穏やかでありながら芯のある指導者として主人公に大きな影響を与える重要なポジションを演じた。佐々木の醸し出すおおらかな雰囲気と、こちらを見抜いてしまうようなまっすぐな目は、指導者を演じるという点でまさに適任ではないだろうか。

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