オダギリジョーが語る、JUN SKY WALKER(S)との思い出「初めてバンドに感じた“メジャー感”」

オダギリジョー、ジュンスカの思い出

 今年デビュー30周年を迎えたJUN SKY WALKER(S)。オールタイムベストアルバム『ALL TIME BEST〜全部このままで〜1998-2018』のリリース、中野サンプラザでのスペシャルライブを成功させるなど、その存在に再び注目が集まっている。

 リアルサウンドでは、中学生のときにジュンスカと出会い、バンドで彼らのナンバーをカバーしていたというオダギリジョーにインタビュー。ジュンスカの魅力や思い出について語ってもらった。(森朋之)

大衆に届くキャッチーさがある

ーーJUN SKY WALKER(S)の音楽に出会ったのは、いつ頃ですか?

オダギリジョー:中学生の頃だから、13才か14才だったと思いますね。バンドブームのど真ん中だった時期だったから、THE BLUE HEARTS、ジュンスカ、ユニコーンなどがすごく人気で。僕はどちらかというと、筋肉少女帯をはじめとするナゴム系が好きだったんです。あとはANGIEとか。簡単に言うとインディーズ路線ですよね。(筋肉少女帯の)「ボヨヨンロック」ってあったじゃないですか? あれに宮田和弥さんと森純太さんが参加していたんですけど、もしかしたらそれがジュンスカを知ったきっかけだったのかも知れません。

ーーずいぶんディープな趣味の中学生ですね(笑)。

オダギリジョー:いやいや、たぶん友達に教えてもらったんだと思いますよ。ナゴム系のアーティストに比べると、ジュンスカはメジャーだったし、誰でも知ってるバンドで。とにかくジュンスカはメロディがキャッチーじゃないですか。サウンドにパンクやロックの要素を混ぜているんだけど、大衆に届くキャッチーさがあるというか。そこに強みがあるんだろうなと思いますね。見た目もカッコ良かったし。

ーーラバーソウルの靴とか、髪の毛を立てたりとか。

オダギリジョー:そうそう。ジュンスカに関しては、もうひとつ印象に残ってることがあって。僕が住んでいた家の近くに、ひとりで暮らしていらっしゃるおばあちゃんがいて。その方が寺岡呼人さんのおばあちゃんだったんですよ。たまに呼人さんが来てたんですけど、サインをもらったことがあるんです。

ーーすごい! 中学のときに会ってたんですね。

オダギリジョー:もちろん呼人さんは覚えてらっしゃらないでしょうけどね(笑)。学校用のバッグにサインしてもらって、それを持って登校して。だから僕にとってのジュンスカは、そのカバンかもしれないです(笑)。あと、友達と一緒にコピーバンドをやってましたね。僕はドラムだったから、当時8バンドくらい掛け持ちしてたんですけど(笑)、そのなかの一つでジュンスカの曲を演奏していて。ベスト(『ALL TIME BEST〜全部このままで〜1998-2018』)の最初のほうの曲(「全部このままで」「MY GENERATION」など)を聴くと「いまでも体が反応する」という感じがしますね。オカズ(ドラムのフィル)まで覚えてるというか。

ーー特に印象に残ってる曲は?

オダギリジョー:「すてきな夜空」ですかね。いま聴くと「バンドでやるのにふさわしい曲だな」と思うんですよ。ギターもベースもドラムもそうなんですけど、基本的なテクニックが散りばめられているし「この曲が演奏できたらバンド少年の仲間入り」という感じがするので。たとえばギターにしても、シンプルにコードを刻むだけではなくて、ボーカルのメロディに寄り添うようなフレーズが多くて。こういう曲が弾けると上達すると思いますね。あとは「明日が来なくても」。〈明日が来なくても(、僕と君がここで死んでも/昨日という日は、確かにあった僕の中に)〉という歌詞ではじまるんだけど、ギターのアルペジオとメッセージ性の強い歌詞から入って、その後、バンド全体でドカーン! という構成が印象的だなと。「リンダリンダ」もそうですけど、こういう曲がリスナーの心を掴んでいた時代だったのかもしれないですね。しかも30年経ってもぜんぜん色褪せてなくて。今回のベスト盤を聴いて改めていい曲が多いなと思いましたね。

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