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“絶好調のNGT48”と“新女王狙うSKE48” 田中秀臣が『AKB48 世界選抜総選挙』の注目点を解説

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 今年で10回目になる『AKB48総選挙』は、海外勢からの立候補を受け付ける『世界選抜総選挙』として注目を大いに集めている。特に前年の女王である指原莉乃の出馬辞退と、そのライバルだった渡辺麻友の卒業によって、新女王誕生がひとつの注目ポイントと言えるだろう。以下では、5月30日の総選挙速報を参考にして注目点をいくつか見ておきたい。

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 まず、昨年の速報でダントツの1位に輝き、話題を独占した荻野由佳を擁するNGT48勢は、今年もその勢いをさらに加速させている。2年連続で速報1位となった荻野由佳は、速報時点の票数をさらに伸ばした。また速報上位100位の中に、昨年は9人だったが、今年は12名と人数を増やし、NGT48の強さは今年も持続している。特に荻野由佳は、全国的な知名度を得るための足掛かりができそうである。荻野由佳の2年連続の躍進を支えるファン層は、彼女が握手会のたびにTwitterへアップしているファンとの動画を見るかぎり、性別も年齢層も多様である。そこから彼女が幅広いファンを有していることが推察できる。新聞で「恋愛対象ではない」と書かれたこともネタにして、自分のファンには「ガチ恋」ではなく、「ガチ濃い」人が多いと形容している荻野。「ガチ濃い」コアなファン層が、荻野躍進の原動力であることは間違いない。

 また現段階で下位にいるメンバーの多くが最終結果では票を伸ばす可能性も秘めていて(一例は、中井りか等)、NGT48は地元新潟を基盤にしてコアなファン層の形成に完全に成功しているといえそうだ。新潟は近代において豪農などの「名望家」と呼ばれることになる資産家が、地域の文化を牽引した歴史がある。もちろんNGT48のファン層が新潟だけに厚いとはかぎらないが、それでも同グループの躍進には歴史的に文化現象に理解のある「名望家」たちの再生をみる思いがする。個人的には、速報46位の中井りかに注目している。ニコ生の速報特番で、「私のファンは貧乏な連中ばかりだから総選挙が弱い」と彼女らしい毒舌を吐いた中井が、どこまで順位をあげるだろうか。

 『世界選抜総選挙』と銘打たれた今回の総選挙では、海外勢の動向にも熱い視線が注がれている。現在、AKB48グループには海外を拠点とする3つの姉妹グループ(JKT48、TPE48、BNK48)がある。コアなファンに若年層が多く、まるで日本の1970年代のアイドル黎明期の熱気を想起させるインドネシアのJKT48が、宗教上の理由で不出馬なのはとても残念である。おそらく出馬していれば、上位にかなりのメンバーをランクインさせただろう。

 速報段階では、120位以内にBNK48から2名がランクインしてきた。東南アジアでは、インドネシアと並ぶアイドル大国であるタイは、潜在的なファンの人数も多い。BNK48のメンバーたちのアピールコメント動画が、全立候補者数の中で上位をしめていて、速報前に大きな話題を呼んだ。私も新聞の取材でBNK48が速報上位にくるのではないか、と記者の方にいわれて期待を大きくした。速報ではまだ下位だが、これからまだまだ上位にいく可能性を秘めているだろう。

 また結成初年のTPE48は、速報段階では立候補者の名前をみないが、アイドル人気の高い土地柄であるだけに今後の追い上げに期待できる。そのうち世界選抜総選挙が本格化していけば、購買力平価(ざっくりいうと各国共通の為替レートの換算)で投票の価値を計算したり、または人口比で調整する必要も出てくるかもしれない。日本のアイドルの中で最も、意欲的、且つ組織的に海外進出を目指しているAKB48グループにとって今回の速報は、その中身以上の重みをもっているといえそうだ。

      

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