『第10回AKB48世界選抜総選挙』速報発表目前、“初の王座”に輝く注目メンバーは?

 6月16日にナゴヤドームで開催される『第10回AKB48世界選抜総選挙』まで1カ月を切った。5月30日にはAKB48劇場で順位の速報発表が行われ、より一層の盛り上がりを見せていきそうだ。

 今年の総選挙を語る上で、一番のトピックは誰が1位になっても初めての王座となることだ。前人未到の3連覇を果たした指原莉乃が宣言通りの不出馬、2位の渡辺麻友がグループを卒業し、柏木由紀、山本彩は今年も立候補はしていない。王座の椅子を狙いに行く、松井珠理奈と宮脇咲良の一騎打ちが今年の最大の見ものとなるだろう。松井は初年度から総選挙に出場し続けており、1位を掲げ続けてきた。SKE48の本拠地・名古屋を舞台に追い風が吹くことは間違いない。松井に対抗するのが、指原と同じHKT48として王座を継ぎたい宮脇。選挙ポスターでは「博多で獲った旗は、博多が引き継ぐ」と宣言しており、最近では、日韓大型プロジェクト『PRODUCE 48』のセンターにも選ばれ、日本のみならず、アジア圏からも注目されるメンバーとなっている。YouTubeにアップされたアピールコメントも、19万回(5月26日現在)と国内メンバーでは断トツの再生回数を記録している。

HKT48 Team KIV 副キャプテン [Vice Captain] 宮脇 咲良 (SAKURA MIYAWAKI)

 しかし昨年、速報1位、開票5位という瞬く間に新星として躍り出た荻野由佳が、今年も奇跡を起こす可能性はある。何が起こるか分からないのが、この総選挙の醍醐味の一つだ。

 また、今年は“世界選抜総選挙”と謳われているように、海外のAKB48グループからBNK48、TPE48が参加。5月23日深夜に放送された『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも話題に挙がっていたが、BNK48の本拠地・タイでは「恋するフォーチュンクッキー」が一つの社会現象になっており、YouTubeでの動画再生回数はおよそ半年にして1.2億回を記録している。公開から5年が経ったAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が現時点で1.4億回であることからも、タイでの盛り上がりが分かるだろう。アピール動画においても、BNK48のキャプテン・CHERPRANG(チャープラン)が27万回、グループのセンターも務めているMUSIC(ミュージック)が20万回と宮脇を超える再生回数を叩き出している。選抜どころか、王座の椅子をも手に入れるほどのBNK48旋風が吹く可能性も十分にあり得るのだ。

BNK48 キャプテン [Captain] CHERPRANG (CHERPRANG AREEKUL / チャープラン)
BNK48 Team BIII MUSIC (PRAEWA SUTHAMPHONG / ミュージック)
AKB48『Teacher Teacher』(初回限定盤Type-A)(©You, Be Cool!/KING RECORDS)

 さらに、例年では80位から1位までの順位のみ発表がされていたが、今年は「第10回世界選抜総選挙記念枠」として、100位から81位までの20名の発表枠が新設される。AKB48の52ndシングル『Teacher Teacher』に投票シリアルナンバーが封入となるが、その収録曲に注目していくと「Teacher Teacher」「ロマンティック準備中」2曲のセンターに小栗有以、「終電の夜」では倉野尾成美、「新しいチャイム」では久保怜音、「猫アレルギー」では山内瑞葵と、“黄金世代”と呼ばれる宮脇、白間美瑠らより、さらに若い世代が楽曲のセンターを務めているのが特徴的。これからのAKB48グループの未来にスポットを当てることも、今年の総選挙において一つのテーマであるように思える。ドラフト3期生としてAKB48に加入したばかりの矢作萌夏は、かねてよりファン人気が高く、5月にスタートした劇場公演で早くもセンターを任されている、逸材と称される注目メンバー。矢作のような未来のホープがどれだけランクインできるかも今回の総選挙の見どころとなる。

 速報発表は、5月30日。昨年、スターダムの階段を駆け上った荻野に次ぐ、新星は現れるのか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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