LDH、吉本興業、アミューズ……エンタメ企業“多角化”の背景 ジャーナリスト柴 那典が解説

エンタメ企業はなぜ多角化する?

 LDH kitchenの代表である鈴木裕之氏は、リアルサウンドのインタビューにて、「新たに職人を育てていくことを重視していて、それが昨今の飲食業界における一つの価値になると信じています」と語っており、そうした考え方は「EXPG STUDIO」のみならず、LDHのグループ企業全般に通じるものだと説明していた。柴氏が指摘したように、“Love, Dream, Happiness”という企業理念こそが、LDHの多角化戦略の核となっていることが伺える発言である。(参考:LDHはなぜ飲食業に進出? LDH kitchen代表 鈴木裕之氏が語る、食とエンタテインメントの融合

 では、エンタテインメント企業の多角化がさらに推し進められた場合、最終的にはどんなビジネスモデルに辿り着くのか。柴氏は「未来都市」が生み出される可能性に期待を寄せる。

「ウォルト・ディズニーはかつて、人々の望みがすべて叶い、幸せな生活を送ることができる“未来都市”の創造を夢見ていました。ディズニーは実際にフロリダに土地を買い、インフラを整えていたものの、夢半ばでこの世を去り、その跡地が『ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート』になったと言います。LDHは現在、飲食、アパレル、ウェディングなどにも進出していて、つまりはライフスタイルを提案するビジネスにまで発展している状況です。三代目 J Soul Brothersの東京ドーム公演を観たこともあるのですが、その演出はまさに未来を感じさせるものでした。このまま発展していけば、EXILE HIRO氏はいずれ“Love, Dream, Happiness”に満ちた未来都市を創造するのではないかと、個人的には期待しています。そこで飲む“レモンサワー”はきっと格別でしょう」

(文=松田広宣)

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