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『The Harvest Time』インタビュー

Caravanが語る、音楽にこめた平和や自由への思い 「いつもそこにあるものとして表現したい」

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 旅に連れて行きたくなるアルバムだ。どこかの旅先で、できれば海に沈んでいく夕日でも見ながらこれを聴いたら、Caravanがここで言わんとしているメッセージが心の深くに沁み入ってくることだろう。“平和”についての考えも歌に込めながら、音とメロディは風通しがよくてオーガニック。4年ぶりとなるこのフルアルバム『The Harvest Time』は、旅を続けながら音楽を紡ぐCaravanのこれまで見てきたことと今思うことが飾りなく表現されている。茅ヶ崎のホームスタジオで各楽曲にふれながら、彼の考え、思い、姿勢、音楽観、今伝えたいことを聞いた。(内本順一)【※インタビュー最後にプレゼント情報あり】

部屋自体が楽器みたいなところもある

――初めてこちらのスタジオにお邪魔しますが、ここはいつからあるんですか?

Caravan:2011年からですね。

――名称は……。

Caravan:「Studio BYRD」。

――鳥の声が聞こえてきたりとか?

Caravan:いや、スナック街なので、鳥といってもカラスと鳩ぐらいで(苦笑)。窓を開けたらここに鳩が入ってきたことがあって、外に出すのがたいへんでした。

――ははは。でもすごくリラックスして音を作れそうな部屋ですよね。当初からこんな感じなんですか?

Caravan:多少模様替えしてるぐらいで、基本はずっとこんな感じです。初めに壁に吸音材を張ったり、床の下にゴムの板を張って防音したり。わりと楽しみながらやってました。当初は楽器屋に行かず、ホームセンターばっかり行ってましたね(笑)。

――手本にしたスタジオがあったんですか?

Caravan:そういうのはないけど、ソロで始めたときからずっと宅録だったので、もともと家の一部をこういうふうにしていたんですよ。その頃から好みの音像というのが自分のなかにあって、それを踏まえてこの空間で再現したところがありましたね。

――好みの音像を求めて吸音材にもこだわったり?

Caravan:でも、吸音材も知り合いの大工さんがまとめて安く仕入れてくれたもので。ほんとは壁にスポンジを張るとかしたほうが音を吸っていいんでしょうけど、1回、天井にクラスウールみたいなのを張って音を出したら、デッド(音の反射が少ない状態)すぎちゃって。良くも悪くもスタジオっぽい音になりすぎちゃったから、そこまでガッツリやらなくていいかなと思って、やめました。

――キレイすぎる音にはしたくないということですよね。

Caravan:うん。まあ、そもそも“いい音”ってなんだろうというのもあるんだけど。パキっとしたハイファイのいい音もあるし、ザラザラしたモノラル音源のいい音もあるし、価値観は人それぞれじゃないですか。ただ、そのなかで自分にとってのいい音というのは、ちょっとザラっとしてて、埃がかかってて、日に焼けてて……みたいなイメージなんです。そういう音が録れたらいいなぁと思うんだけど、なかなか自分で録音してミックスもしてってなると、そこに届かない。けどまあ、あまり考えすぎないほうがいいなとは思ってますね。もともとの部屋鳴りっていうのもあるし、部屋自体が楽器みたいなところもありますから。本来、スタジオってそういうものだと思うんですよ。その部屋自体の鳴りが欲しくて、アビーロードとかモータウンにわざわざ行く人がいるわけで。機材とか防音・吸音が進みすぎちゃうと、ただクリアなだけになっちゃって音に個性がなくなる。自分としては、透明度の高すぎる音は照れ臭いんですよね。生活感が匂うくらいの音が好きなんです。だからときどき、あえて窓を開けて録るとか、あえて扇風機を回して録るとかもしてて。

――まさにそのあたりが反映された音の近さを、新作『The Harvest Time』に感じました。そういう音の響きと選ばれている楽器とメロディのあり方とが相まって、開放的だし風通しのいいアルバムになってるなと。しかもそのように心地よく聴けるものでありながら、大事なメッセージをたくさん含んでいる。

Caravan:うん。そのへんのバランスが結局ミュージシャンの個性だったりもするから。自分なりの温度感で言いたいことを言えたらいいなと思っていたんです。

――楽器の選び方やサウンドに関して今回こだわったのはどんなところですか?

Caravan:自分の根っこにあるのはルーツミュージックだったりするので、そういうニュアンスの楽器は多用したかな。ハーモニカとかバンジョーとかペダルスティールとか、そういう楽器を今回は積極的に使ってますね。

――楽器ひとつひとつの音の鳴りがとても豊かなんですよね。このペダルスティールギターの音ひとつだけでもいろんな景色が見えてくるな、とか。

Caravan:あ、それは嬉しいです。

――宮下広輔さんのペダルスティールの音は本当にいいですね。あとチェロの音色も。チェロをやられているのは……。

Caravan: 棟元名美さんという沖縄に住んでいる人です。それからキーボードが堀江(博久)くん。みんなで「せーの」でやれるスペースがここにはないので、今回はほとんど多重録音ですけど、プレイヤーの個性によって発展していったようなところもありますね。

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