2ndアルバム『TOKYO』インタビュー
ベッド・インが語る、ボディコン・ロックの進化とメッセージ「全国民のみなさんにバブルの良さを」
バランスを意識できるようになった(益子寺かおり)
ーーベッド・インは生ということで……。6曲目の「Snow Magic」はかおりさんのソロ曲ですね。ちょっとファンキーなリズムにかおりさんの歌声が絡みあうかのようですね。
ちゃんまい:(筆者の手を見て)今、指がすごくエロかった……♡
かおり:やだ、すごくテクニシャンだった……♡
ーー話を進めますと、かおりさんの歌い方に今までと違う印象を受けたんです。
かおり:今回のソロ曲では、普段のまい=甘、かおり=辛っていうイメージをスワッピングして、お互いギャップを出してみようと思いまして。なので、普段はドヤ顔で力強く歌いあげることが多い私ですが、「Snow Magic」はいつもより抑えめな、雪解けのような優しい声で歌えるようにガンバルンバしてみました♡
ーーかおりさんというと、『RICH』の「Summer Dream」のように、西武球場で渡辺美里が歌っているようなイメージがありますものね。
かおり:今回は杏里さんや小比類巻かほるさんのように、声量がありつつも控えめに歌う、大人の余裕をびんびん物語に感じるシンガーの皆さまをイメージしてターウーしてみたんです♡
ーー小比類巻かほるだなんてプリンスがプロデュースにきちゃいますね。リズムがちょっとファンキーなのも意識的ですか?
かおり:そうですね。いつかこういうファンクなリズムの曲も歌ってみたいとZUTTO思っていたので♡ 他にもこういうリズムの曲は候補に入れていたんですが、その中でも一番メロディがハッとして、Good!きた曲を選ばせていただきました♡ 実はこの曲を作ってくれた江並哲志さんは、名古屋で性徒諸クン(ベッド・インのファンの総称)をやってくださっている方で!
ちゃんまい:曲をコンペに出してくださったんですが、ロンモチ私たちは性徒諸クンであることは全く知らずに、私たちのGスポットに響いたので選ばせていただいたら、「実は何年も前から追いかけてます」と! なんてトレンディな展開!
ーーそれは完全に必然ですね。
かおり:んもう、「ラブ・ストーリーは突然に」って感じですね……♡ しかも、気付いたかしら……? 実は曲中に「ラブ・ストーリーは突然に」のギターのカッティングも挿いってるんですよ♡
ちゃんまい:「チュクチューン!」って!
かおり:サビの前に入ってるので、ぜひ注目して聴いてみてね♡ ああん、当時のトレンディードラマやシンデレラ・エクスプレスのCMで流れてるところが目に浮かぶわ……♡
ーーシンデレラ・エクスプレスといったらJR東海で山下達郎ですね。
ちゃんまい:あれ!?また達郎さんとつながっちゃった!?(笑)。
かおり:ほんとだわ! ぶっとびぃ~! ご縁しか感じない♡ この曲はデモを聴いた時点で、これはアーバンなウィンターソングにするっきゃナイト!と思いまして。雪が降る寒空のなか、待ち合わせしている情景が浮かんだんです。そんな情景から記憶をたどり、かおりがOL時代に経験したオフィスラブの実体験をカイてコイちゃいました……♡
ーーおふたりともOL時代があったんですか?
ちゃんまい:そうなんです、おっぱい揺らしながら、ナイショナイショのオフィスラブを♡
ーー仕事じゃないじゃないですか!
ちゃんまい:「OL」と書いて「オフィスラブ」を♡ ちゃんまいは1番遅くきて1番はやくドロンする“ベルさっさ”ちゃんでしたので♡(笑)。
かおり:かおりはリゲイン飲みながら、24時間戦えますか状態の戦場で割とバリバリ働いてて(笑)。残業をしながらの“待ち合わせ”って、すごく印象的に記憶に残ってるんです。そういう時にこういう切ない“すれちがい”が起きて関係がうまくいかなくなったっていう、本当にトレンディドラマみたいな出来事があったので。その切ない愛のメモリーを思い出しながら、歌詞にカキコキしました♡(丸めた右手を上下に動かしながら)
ーーなんですかその手の動きは……? 7曲目の「燃えさせてよ」はちゃんまいさんのソロ曲ですね。NAONのYAON感が溢れるロックナンバーですね。
ちゃんまい:この曲はちゃんまいのDAISUKI!な三原順子さんを意識してみました。よく百恵ちゃんと比較されがちですが、彼女は独自の路線でハードロック歌謡をやってたんです。それが滅茶滅茶マブくて。あとは、世良公則さんですね。ライブ音源の「銃爪」とか、ねちっこすぎて、本当に濡れます。あの、ねちっこさもリスペクトしてみました♡ 今まではキャラ分けの意味も含めて、アーパー担当として可愛い声で歌うように心がけてたんですが、今回はギャップがあることをやろうと思いまして。ギターも含めて、小汚なくて、泥臭くて、人間臭い。だけど、それだけじゃなくて、しっかり歌謡曲に仕上がってるのではないかと。
ーー三原じゅん子さんを意識したら選挙に出ないといけないですね……。
ちゃんまい:そうですね、立候補します、KUWAETATE!バナナ大使に! 歌い方も、昔っから自分の中に潜んでいる部分を出したというか。
ーーそれは「例のK」時代とか?
ちゃんまい:その前のバンドではADK直系の80年代日本語ドロドロパンクを意識したバンドでギターボーカルだったんです。その頃に近い……のかな? 吐き出すという部分では!
かおり:私はまいがその時やっていたバンドを知っていたから、なんだか少し懐かしい気持ちになったわ♡
ーーそれにしても、「東京」といって三原順子と世良公則が出てくるグループはそうそうないですよ!
ちゃんまい:「東京か?」みたいな(笑)。
かおり:丸の内から一気に下町方面へ、みたいな⁉(笑)。
ちゃんまい:光と影があるからこそ、東京はドラマチックな街だと思うんですが、この曲は影の部分なのかなと思います。
かおり:酸いも甘いもいろいろあるよね……。人生いろいろ、男もいろいろ~♪
ちゃんまい:吸った揉んだがありました……って感じですかね♡(笑)。
かおり:挿入しました♡
ーー8曲目の「Conscious 〜闘う女たち〜 」もロック・ナンバーですね。女性に向けたメッセージがすごくいいなと思ったんですけど、〈ノストラダムスの予言など 私が変えてみせる〉っていう歌詞があって「あ、1999年以前が舞台なんだ」って気づきました。
かおり:“ノストラダムス”はどうしてもいつか使いたくて、やっと使えた!(笑)今までのベッド・インの曲でも「SEXY HERO」や「GOLDの快感」は、恋愛じゃなくて、私たちが掲げていきたい“生き様”をテーマに歌った曲だったんですけど「Conscious 〜闘う女たち〜 」はその流れを汲みつつも、周りの目を気にせずに、自分の欲望に正直に生きることに怯えなくていいよってことを伝えたくて。前作とちがうところは、ただ強くタカビーなだけではなく、弱さや繊細な気持ちも歌ったところですね。コンプレックスを抱えていたガラスの十代の頃に自分が感じていたリアルな葛藤を、思い切って歌詞にしてみたんです。もしも同じような葛藤を抱えて悩んでいる子たちがいたら、この曲で少しでも勇気を持ってもらえたら嬉しいですね。
ーー「Conscious 〜闘う女たち〜 」や「シティガールは忙しい」と、女性をテーマにした曲が多いですね。おGIGを重ねているうちに生まれてきたものなのでしょうか?
かおり:私たちがベッド・インを始めたのって、バブル時代の女性のように、まわりに流されずに欲望に正直に自分の人生を謳歌するタカビーな女性像に憧れて、その精神で今の世の中に抗おうってところからスタートしているので、その根本的な部分は一貫して変わってないんです。なので、おのずと女性目線の曲が多くなってしまうのかもしれません。
ちゃんまい:あと、自分たちが女だっていうところですかね。女が女として闘うことの意味を、昔からよく考えているので。
かおり:歌詞は実体験しか書けないですし、等身大の歌詞を書こうとすると、どうしても女性目線になっちゃうってこともありますね。ただ、だからといって女性だけに向けた曲というわけではなく、男女問わず今を生きるすべての人に贈りたいメッセージを込めたつもりです。特にこの曲は、ナウでヤングな子にもわかりやすくメッセージが伝わるようなストレートな歌詞を書いてみようという意識があって。それは、性徒諸クンたちからいただくお手紙やツイートのコメントで、どんな風にベッド・インの曲を聴いたり、想ってくれてるのか、おナマの声をたくさん聞くことを通じて変わってきた部分でもあります。「ベッド・インのように、私ももっと周りの目を気にせずに、好きなことを貫きたい」「もっと自信を持ちたい、強くなりたい」っていう声をたくさんいただいて。自分がガラスの十代の頃に感じていた葛藤を同じように思っている子たちがたくさんいることを知って、その子たちの背中を少しでも押せるような、一緒に闘えるような曲を作りたいって思ったんです。
ーーファンの皆さんのとの間でシナジーが生まれているんですね。
かおり・ちゃんまい:あぁ〜ん♡
ーーなんでここであえぐんですか!
ちゃんまい:スケベな言葉かなって♡ よくわかんないけど♡
かおり:まぐわって、ナニかが生まれる……みたいな?♡
ちゃんまい:でも、そういう気持ちになれたのは、本当に性徒諸クンのおかげですね。共に闘ってくれている人がいることは、本当にありがたいことだと思います。今回ベッド•インが昔から貫いてきた想いをかおりさんが歌詞に詰め込んでくれたので、この曲はベッド•インにとっても性徒諸クンにとっても大事MANな曲になるんじゃないかなと。ーーだからシティ感がある楽曲もあれば、こういう激しい楽曲もあるわけですね。
ちゃんまい:この曲は、私たちがずっと続けてきたボディコン・ロックの進化系です。
ーー今回ボディコン・ロックを抑えてみたところはありますか?
かおり:ロンモチで私たちがもともと大事MANにしてきたロック魂や根本は変わらないのですが、サウンドの部分では、あえてロック色を抑えた曲もあるかもしれません。さっきも言いましたが、今回はアルバムという作品1枚を通じてABCDE気持ちで聴いてもらうために曲のバリエーションの幅を広げたので、あえてボディコン・ロックを感じる曲もあれば、そうじゃない曲もあるようにしてみた感じですね。『RICH』が全曲メインディッシュだとしたら、今回はちゃんとオカズも、ご飯もデザートもある、バランスのいいディナーを召し上がれって感じですかね♡ やっとヌき挿しのバランスを意識できるようになったんでしょうね(笑)これって、2枚目だからこそできたと思うんですよ。
ーー2枚目、つまり2回戦ならではのベッド・インだと。
ちゃんまい:2回戦だからこそわかってくることもあるじゃないですかぁ〜?♡ あ、CoCoが気持ちいいんだぁ〜♡ みたいな?♡
かおり:メンズとのベッド・インも、初夜よりもやっぱ2回戦からがお互いの気持ちいいポイントがわかっていいじゃないですか? 1回戦目は、なしくずしに致しちゃうこともあるしぃ~。
ちゃんまい:2回戦目からようやくいろんな技を試せるっていうか、こんなのは?♡ ここはどう?♡ みたいな感覚ですかね!
かおり:むしろ2回戦目からが本番行為、DA.YO.NE~♡
ちゃんまい:ギターに関しては、幅が広がったからこそ苦戦だらけでしたけどね……トホホ!
ーーギタリストとしても挑戦作だったんですね。
ちゃんまい:本当にいままで自分の引き出しにないものばかりだったので、とにかく必死でしたね。あとはヌき挿しですね……「この曲はギターがないほうがいいんじゃないか」とか「ギターがこれ以上入ると踊れないんじゃないか」とか。ギタリストとしては淋しい熱帯魚ではあるんですけど、すべては楽曲の持つ力をどうやったら最大限に活かせるか、という部分を冷静にジャッジしたつもりです。プレイヤーとしての気持ちよりも、やっぱり聴き手が1番気持ちいい事が大事MANブラザーズなのかなと。