内田彩、エンターテイナーとしての多面性  幕張メッセワンマンで見せた”アップデート”した姿

内田彩、エンターテイナーとしての多面性

 そこから冒頭のMCを挟んだのち、「Say Goodbye,Say Hello」へ。東と宮崎を引き連れて花道に出た内田が、何かが吹っ切れたかのような勢いでこの曲を歌い上げる。彼女のここまでとこれからを総括するような歌詞は、聴き手も迷いのあったデビューや喉の手術など、様々なトピックを思い出すくらいなので、歌う側もやはりグッとくるものがあるのだろう。以降の「Blooming!」も一層エモーショナルに聴こえたし、「みんなとの笑顔でわたしも笑顔になれて、今ここで歌えます」と語って披露した「SUMILE SMILE」は、ある種の決意表明のようにすら感じられた。

 トロッコに乗り、会場を所狭しと回りながら涙を浮かべた「Sweet Dreamer」を終え、「あらためて歌の良さ、音楽の良さ、ライブの良さを実感することができました、ありがとう!」と叫び、最後は〈当たり前じゃなくなって 当たり前に気付いた〉という、喉の手術を乗り越え、改めて気付いた歌う喜び、ファンへの気持ちを存分に詰め込んだ「Ordinary」で本編は終了した。

 アンコールは、内田が「最後は賑やかに元気に行きたいなと思います!」と叫び、「Everlasting Parade」、そして2度目の「Say Goodbye,Say Hello」を披露。歌詞を引用しながら「何度でも何度でもさよならって言うけど、また逢いにきてね!」と観客に語りかけ、この日のライブは幕を閉じた。

 「Say Goodbye,Say Hello」の〈わたしがわたしをアップデートしてく〉という歌詞のように、内田彩とそのチームは、慢心することなく新たな音楽に挑戦し続ける。その化学反応が生んだ『ICECREAM GIRL』とこの日のライブを経て、次は一体どんな素敵なトライが待っているのだろうか。ライブが終わった直後から、そんな期待でいっぱいにならずにはいられない一夜だった。

(取材・文=中村拓海)

■セットリスト
1.What you want!
2.Party Hour Surprise!
3.いざゆけ! ペガサス号
4.Sweet Rain
5.Holiday
6.Merry Go
7.泣きべそパンダはどこへ行った?
8.アップルミント
9.Growing Going(メドレー)
10.ドーナツ(メドレー)
11.Ruby eclipse(メドレー)
12.絶望アンバランス
13.Under Control
14.キリステロ
15.Breezin’
16.Close to you
17.カレイドスコープロンド
18.EARNEST WISH
19.Frozen
20.Blue Flower
21.ピンク・マゼンダ
22.Yellow Sweet
23.with you(メドレー)
24.color station(メドレー)
25.Floating Heart(メドレー)
26.with you(メドレー)
27.Say Goodbye,Say Hello
28.Blooming!
29.SUMILE SMILE
30.Sweet Dreamer
31.Ordinary
En1.Everlasting Parade
En2.Say Goodbye,Say Hello

内田彩オフィシャルサイト

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