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くるり『京都音楽博覧会2017 in 梅小路公園』レポート

くるりの発想力と実行力が“得難い体験”をもたらす 兵庫慎司による『京都音博』全アクトレポ

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Tomi Lebrero

 二番手は、『京都音博』3回目の出演となるアルゼンチンのアーティスト、Tomi Lebrero 。1曲目はアコースティックギター弾き語り、2曲目はバンドネオン独奏のインストゥルメンタル、3曲目はバンドネオンにのせてラップのように歌うーーと、1曲ごとにスタイルを変えていくステージ。なお、その3曲目は「Matsuo Basho」という曲で、彼が「マツオバショウ!」とシャウトしたり唸ったりするたびに、「え、松尾芭蕉って言ってる!?」と、オーディエンス、ざわつく。ただし、ざわつく→笑う、のプロセスを経て、後半では手拍子が起きる。4曲目でくるりの「ブレーメン」を(おそらく)スペイン語で披露、さらに手拍子が大きくなる。オリジナルでは速いテンポでオーケストラで演奏されるあの後奏を、バンドネオンひとつで弾ききるさまは圧巻だった。ラストの8曲目「Michelagelo 70 ~ medley」では、隣接する京都市水族館でイルカショーが始まってしまったが(イルカショーは転換中に当たるようタイムテーブルが組まれているのだが、押したか何かしたらしい)、その声をいじって笑いをとったりしながら、バンドネオンのインストゥルメンタルでメドレーを続ける。後半ではくるり「宿はなし」もちょっと入れた。

京都音博フィルハーモニー管弦楽団

 続いては、スーツ姿の野村雅夫&燕尾服姿の岸田の紹介で、京都音博フィルハーモニー管弦楽団が登場、2曲演奏。曲は、岸田が子供の頃に初めて買ったCDに入っていたという『ホルベルク組曲』の「前奏曲」と、NHK-FMのくるりの月イチレギュラー番組『くるり電波』のオープニングテーマである「2017年の行進曲」だ。

Alexandre Andrés & Rafael Martini

 次は「ブラジル・ミナス地方のアーティストがとても好きで、CDを買いまくってはラジオでかけている」という佐藤の紹介の言葉から、Alexandre Andrés & Rafael Martiniのステージ。ふたりと音博フィルに、ドラムに屋敷豪太、ベースに「僕のコントラバスの師匠」(by佐藤)だという小谷和秀が加わって演奏。Alexandre Andrésがフルートの美しい音を響かせたり、ふたりでハモリをじっくり聴かせたりする。ラストの「Dual」のいちだんと熱い演奏に、大きな拍手が広がった。

くるり 岸田繁

 そしてくるり+音博フィル。メンバー3人に加わるサポートメンバー、ギター松本大樹とキーボード野崎泰弘はおなじみだが、ドラムの戸渡ジョニーは、くるりのライブで叩くのは初。

くるり 佐藤征史

 全12曲。「ジュビリー」「ブレーメン」などの、この編成でやるのが納得な曲も、「琥珀色の街、上海蟹の朝」や「ワールズエンド・スーパーノヴァ」のような意外な曲も、「特別な日」「How Can I Do?」のくるりの最新曲2曲もプレイ。「京都の大学生」の時は岸田、「よく『京都で作ったんですか?』と言われるんですけど、ストックホルムを散歩しながら作った曲です」。

 岸田、曲によってギターを弾きながら歌ったり、ハンドマイクになったり。佐藤、曲によってエレキベースを弾いたりウッドベースになったり。「How Can I Do?」の前の「いつもは夕日を見ながらやってたけど、今日はめちゃめちゃまぶしい。サングラスしてきたらよかった」という岸田の言葉に、今年のステージ進行は特別であることを改めて思い出す。

くるり ファンファン

 この梅小路公園の中には鉄道博物館があって、定期的に蒸気機関車の汽笛が鳴る。佐藤、「汽笛がいいなあ。汽笛の音が聴けるお祭りは、『京都音博』だけじゃないでしょうか」と、改めてそのことに触れる。

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