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2ndアルバム『Change your pops』インタビュー

雨のパレード・福永浩平が語る、ポップスとしての理想の音楽「入り口になるのがメロディーと歌詞」

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 雨のパレードが2ndアルバム『Change your pops』を発表する。中心人物の福永浩平はこれまでの取材でも「日本のポップスを更新したい」と繰り返し語っていたが、その想いをストレートにタイトルとして掲げた本作は、バンドにとってかなりの自信作であると言えよう。実際、エレクトロハウスやトラップの要素も取り入れて、さらに洗練されたサウンドデザインは、その自信を裏付けるに十分な仕上がりだ。

 また、本作は昨年リリースされたシングル『You』で示した「聴き手の人生に寄り添う」という意識が、全編に渡って反映された作品であるとも言える。つまり、雨のパレードは日本のポップスを変えようとしているだけではなく、聴き手であるあなたの人生も、本気で変えようと企んでいるのだ。優れた芸術表現がすべからく「問いかけ」であるとするならば、『Change your pops』という作品も、まさにそんな一枚である。(金子厚武)

「ポップスって言葉に対する、ちょっとした嫌悪感をなくしたい」

ーー先日のグラミー賞の放送ってチェックしましたか?

福永浩平(以下、福永):まだ観れてないんですよ。僕、Flumeのインスタはフォローしてるんで、「Flume獲ったんだ」っていうのはびっくりしました。

ーーやっぱり、グラミーを観るとアメリカのポップスの底力を見せつけられるというか、ちゃんとメインストリームのアーティストが先鋭的な表現をして、それが評価されるっていうのはいいなって思うんですよね。だから、日本のポップスを変えるためには、まず権威のあるアワードが必要なのかなって思ったり。

福永:なるほど。グラミーにはやっぱり憧れがありますし、おっしゃる通り、日本にもああいうアワードがあったらいいなって思いますね。ただ、あれってちゃんと受け皿があるからこそ、アワードが成り立ってるっていうのもありますよね。まずはその受け皿を作りたいなっていうのは強く思ってます。

ーーちなみに、福永くんの2016年のベストは?

福永:2月に出たジャック・ガラット(『PHASE』。日本リリースは6月)がすごくよかったのと、あとはやっぱりBon Iverですね。もともとVolcano Choirを結構聴いてて、Bon Iverはそんなにしっくり来てなかったんですけど、『22 A Million』はマジでよかったなって。あの立ち位置にいる人が、前衛的な姿勢で音楽を作って、それがちゃんと受け入れられるっていうのは、すごくかっこいいなって思ったし、憧れもあります。Bon Iverの声だけのトラックがいいなって思って、アルバムに収録されている「speech」を作ったんですよ。今回のインタールードの3曲(残りは「perspective」と「intuition」)は、ポップスを更新していく上で必要な要素をタイトルにしてるんです。

ーー「ポップスを更新したい」ということはこれまでの取材でも話してくれていて、今回はそれがアルバムタイトルにも明確に表れていますね。

福永:ポップスって言葉に対する、みんなが持ってるちょっとした嫌悪感をなくしたいっていうのもありますし、自分たちはポップスだと思って曲を作ってきたので、ちゃんと受け入れられたいというか、時代に認めさせたいっていう気持ちがありました。洋楽しか聴いてない人たちにも「かっこいいじゃん」って思わせたいし、逆に洋楽を全く聴いたことがない人たちには「これもポップスって言っていいんだ」っていう感覚になってほしいなって。

ーー「ちょっとした嫌悪感」というのは、ポップスを価値の低いもの、軽いものとみなしている人が多いということ?

福永:多くの日本の人がそう思ってると思うんですけどポップスという言葉のとらえ方ですかね。海外のR&Bのシーンとかって、普通にポップスとしてみんな受け入れてるし、日本もそういう認識になることで、音楽シーンを底上げできればっていう強い想いがありますね。

ーーその考えはずっとぶれてないどころか、ますます強くなっているようにも見えます。『Change your pops』っていうタイトルは、今の日本の音楽シーンに変化の機運を感じているからこそ、このタイミングで強く打ち出す必要があったのかなって。

福永:タイミングに関しては、正直必死過ぎてあんまり意識はしてないんですけど(笑)、同年代のバンドたちから、少しずつそういうムードが出てきてるのは僕も感じてます。

ーーただ、雨のパレードは今ちょっと特殊な立ち位置にいるというか、主にインディーシーンで洋楽的なバンドが盛り上がりを見せる中で、一バンドだけ一足先にメジャーに来て、孤軍奮闘しているようなイメージもあるんですよね。

福永:インディーとメジャーを分けるつもりはないんですけど、今って自分たちの大好きなことを追求してるバンドが多くいるなって思うんです。ただ、そういうバンドたちがみんな大衆性を勝ち取りに行ってるかって言われたら、僕はそこはわからなくて。なので、僕らがその間に立って、橋渡しをできればすごくいいなっていうのは思いますね。

ーーちなみに、メジャーでやる意義として、プロデューサーを迎えたり、外部の人とコラボレートをするパターンも多いと思うんですけど、雨のパレードはここまで自分たちのみで制作を行ってきていますよね。そこに関してはこだわりがある?

福永:今までエンジニアの桑野(貴充)さんと一緒にやってきてるんですけど、他にシンパシーを感じる人とまだ出会えていないっていうのが正直なところで、ホントに自分たちの好きな音楽を理解してくれて、自分たちの知らないアプローチを持っている人とは、いずれやってみたいとは思ってます。とはいえ、やってみて悪い結果になるのは避けたいじゃないですか?だから今の段階では自分たちだけでやりたい音を追求して、形にしていくのがベターなのかなって。

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