乃木坂46が『真夏の全国ツアー2016』で手にしたものは? 齋藤飛鳥の“涙のMC”から探る

 乃木坂46が、8月28日、29日、30日の3日間に渡り『真夏の全国ツアー2016 ~4th YEAR BIRTHDAY LIVE~』を開催した。

 同ライブは、6月より静岡エコパアリーナにて開催した『真夏の全国ツアー2016』のツアーファイナルであり、大規模な会場を押さえることができなかったために延期していた『Birthday Live』も兼ねて行われたもの。2013年から毎年開催している『Birthday Live』では、グループの全楽曲を順に披露するという形式が取られている。初の3日間開催となった今年。筆者は、『何度目の青空か?』(10thシングル)から『裸足でSummer』(15thシングル)を披露するツアー最終日のライブを観た。

 3日目の披露楽曲は2014年10月から2016年7月まで、つまり乃木坂46が世間により注目され始めた時期から現在までの期間に当たる。センターも生田絵梨花、西野七瀬、生駒里奈、白石麻衣&西野七瀬、深川麻衣と常に変わり続けてきた。そして、本編ラストの楽曲「裸足でSummer」のセンターを務めたのが齋藤飛鳥だ。

 ツアー開催前、当サイトのインタビューで齋藤は、「私の中でも今、ツアーはかなり大きくて」とツアーについてコメントしながら「今のところ不安のほうが強くて。どうなるのかな?っていう」と心境を明かしていた。いざ蓋を開ければ「神宮ーー!」と力強く叫びながら、グループの先頭を切り歌い踊る齋藤がステージにいた。無数に打ち上がる花火をバックにメンバーの多くが目に涙を浮かべながらツアー最終公演を噛み締め、齋藤は感極まったのか最後の締めの言葉をキャプテン桜井玲香に預け、会場の涙を誘った。

 筆者は、8月14日に宮城ゼビオアリーナ仙台にて開催された『真夏の全国ツアー2016』の昼公演にも足を運んだが、そこでのMCで齋藤から印象的な言葉を聞くことができた。ライブは、5月にリリースした2ndアルバム『それぞれの椅子』ジャケットの通りに“赤と青”の衣装を着たメンバーから成る2グループが、新たな陣形で楽曲を披露していくというものだった。ライブ終盤のMCで齋藤は、「今回のツアーでは、一番身近な存在であるメンバーにありがたさを感じました。このメンバーのためならダサいことも格好悪いこともやってやろうじゃないかと。特に、個人的には秋元真夏に……真夏は当たり前のように優しくしてくれて、いちいち連絡もくれるし……そんな真夏を尊敬してるし」と涙で前を向けなくなるほどの状態になってまで、秋元に感謝を告げていた。

 自身の気持ちを表に出すことの少ない齋藤が、こうして人前でほかメンバーに心境を告白するのは稀なことだ。深川の卒業を皮切りにスタートしたツアーは、桜井が体調不良のため主な日程のライブを欠席し、橋本奈々未もぎっくり腰になるなどグループ全体としても満身創痍のなか敢行されたツアーであった。無事ラストまで走りきったツアーでメンバーが手にしたものは、“メンバーの存在”という再認識だったのかもしれない。

 ツアー最終日には11月9日に16thシングルをリリースすることを発表した乃木坂46は、9月4日に3期生12名の新メンバーをお披露目した。2期生加入から約3年4カ月ぶりの新メンバー加入は、既存メンバーにとっても大きな刺激になるはずだ。『LINE LIVE』にて生配信された『乃木坂46 第3期生 決定スペシャル!』では、新メンバーの初々しい受け答えが見受けられたが、各メンバーはこれからどのような顔を見せていくのだろうか。

(文=渡辺彰浩)

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