ニューシングル『リアリ・スティック』インタビュー
MICHIが語る、アニソンシンガーとしての責任と海外進出への展望 「アニメは地球語」
MICHIのニューシングル『リアリ・スティック』が5月18日にリリースされる。通算3作目のシングルとなる本作の表題曲は、4月からスタートしたテレビアニメ『クロムクロ』のエンディングテーマ。過去2作とは一線を画する、シリアスな世界観の中に冷たさと熱が同居する聴き応えのある楽曲に仕上がっている。アニソンシンガーを目指して歌手になったMICHIは、この難易度の高い曲とどう向き合ったのか。前回のインタビュー(参照:MICHIが語る“アニソン愛”とシンガーとしての夢「アニソン界に新しいジャンルを作れたら」)同様に持ち前の明るさで、新作の聴きどころやアニソンに対する考え方を説明してくれた。(西廣智一)
「夢のまた夢ですけど……ワールドツアーをやりたい」
ーー前作から4ヶ月経たずして3rdシングル『リアリ・スティック』がリリースされます。アニソンシンガーは1クール(3ヶ月)ごとに新曲を発表する方も多いと思いますが、今回のように2クール立て続けにアニメ楽曲を発表するサイクルはどうですか?
MICHI:まさかデビューして1年も経ってないのに、早くも3rdシングルまで出させていただけるなんて正直思ってもみなかったので。しかも3作とも全部アニメとのタイアップが決まって、どれも素晴らしい作品でビックリしています。
ーー昨年7月にテレビアニメ『六花の勇者』のオープニング&エンディングテーマを収録したシングル『Cry for the Truth / Secret Sky』でメジャーデビューしたので、まだ1年経ってないんですよね。
MICHI:そうなんです。そこから今年1月に『だがしかし』(のオープニングテーマ『Checkmate!?』)、そして今回の『クロムクロ』なので。皆さんビックリしますよね? だって私もビックリしてますから(笑)。
ーーさらに、この夏はロサンゼルス『Anime Expo 2016』、上海『Bilibili Macro Link STAR★PHASE 2016』、ボルチモア『OTAKON』と海外の大型イベントへの出演が立て続けに決まっています。
MICHI:しかも聞いてくださいよ! 『OTAKON』出演はこのインタビューが始まる直前に知らされたんですよ? 『Anime Expo』から2ヶ月連続でアメリカに行けるんだと思うと……感激です。でも行けるのなら、まだまだいろんな国に行ってみたいですね。
ーー『Anime Expo』や『OTAKON』はアニメファンなら一度はその名を耳にしたことがあるくらい有名なイベントですし、そこで歌えることは本当にすごいことだと思いますよ。
MICHI:本当に幸せです。私の間違いじゃなければ、映画『テッド2』に『OTAKON』って出てきたと思う。ストーリーの中でアニメのところで戦うシーンがあって、それが『OTAKON』だった気がするんですけど……そんな名前の覚え方で申し訳ないのですけど、それくらい知名度のあるイベントにデビュー1年目で出られるなんてビックリです。
ーーこれだけ立て続けに海外の大型イベントに出演する日本の新人アーティストって、すごく限られてくると思うんです。
MICHI:自分が今置かれている環境がどれだけ幸せなのかは常に実感していて、「これが当たり前じゃないんだぞ」と毎日自分に言い聞かせてます。私、運だけは特別いいんです(笑)。なのでそこに実力が伴っていけばいいなというか。運と仲良くなって、世界中にMICHIんちゅ(=MICHIのファン)を増やしていきたいと思ってます。そして本当に夢のまた夢ですけど……ワールドツアーをやりたいな。
スタッフ:……えっ?
MICHI:えっ、ダメですか?(笑) 海外にはお仕事でまだ2回(ジャカルタとシンガポール)しか行ったことがないですけど、2回ともお客さんがみんなアニメに対して熱かったんです。そこは世界共通、アニメは地球語なんだなと思って。今初めて口にしたんですけど、ぜひワールドツアーを実現させたいです(笑)。
「近未来感が感じられるのがアニソン」
ーー前作「Checkmate!?」がテーマソングに起用された『だがしかし』も話題作でしたが、今回「リアリ・スティック」がエンディングテーマに採用された『クロムクロ』もこの春注目のアニメですよね。
MICHI:P.A.WORKSさんの15周年記念アニメで、しかも初ロボットアニメなんです。15周年記念とか初ロボットアニメとか、そんな記念作品のエンディングテーマを歌えるなんて本当に恐縮しています。
ーーさらにオープニングテーマは同じレーベルの大先輩、GLAYですし。
MICHI:そうなんですよ! まさかポスターに「オープニングテーマ:GLAY/エンディングテーマ:MICHI」と名前が並ぶとは思ってなくて、もうビックリです! 今置かれている現状が夢か誠かって感じで(笑)。
ーーGLAYのように、今やJ-ROCKやJ-POPのフィールドからもたくさんのアーティストがアニメに楽曲提供する時代ですが、MICHIさん自身はアニソンというとどういう曲が印象に残っていますか?
MICHI:一番印象に残っているのは『ギルティクラウン』のテーマソングで、EGOISTさんの「The Everlasting Guilty Crown」。あと、沖縄でオタク活動をしていたときにみんなで歌っていたのは『銀魂』の……DOESさんの「修羅」や「曇天」。『BLEACH』だと、miwaさんが歌ってた「chAngE」もかな。他にも『家庭教師ヒットマンREBORN!』とか『Free!』とか『神様はじめました』とか……好きなアニメのテーマソングを挙げたらきりがないですね(笑)。
ーー今挙がったDOESやmiwaさんはまさにJ-ROCKやJ-POPのフィールドでも活躍しているアーティストですが、MICHIさんの中ではアニソンとJ-POPの違いはどう考えてますか?
MICHI:アニソンはちょっと近未来感がある曲調が多いじゃないですか。それとアニメの異世界観を反映した歌詞。それこそElements Gardenさんが作る楽曲がまさにそうで、それが私の中でのアニソンというイメージ。そしてJ-POPはもっと音も歌詞も現実味があって身近という印象かな。
ーーアニソンはもうちょっと現実離れしている?
MICHI:そうですね。ストリングスの音色とか、それこそ私の「リアリ・スティック」にもそういう近未来感があると思うので、「これぞアニソン」という気がします。