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RealSound×LINE MUSIC特別企画

【PR】RealSound×LINE MUSIC特別企画 Mummy-D×高橋芳朗が語る“青春80'sソング”

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 RealSoundとLINE MUSICによる特別企画第4弾は、音楽ジャーナリストやラジオ・パーソナリティとして活躍する高橋芳朗氏と、旧知の仲であるRHYMESTERの頭脳・Mummy-Dによる濃厚な対談。共に青春時代を過ごした〈80年代〉という時代を軸にしたプレイリストを作成してもらい、互いの音楽観や定額制の現状について語ってもらった。当時は、“水と油”であったふたりが出会い、親睦を深めるきっかけとなった話など、非常に味わい深いトークを訊くことができた。

プレイリスト「ブラックミュージック原体験 by Mummy-D(RHYMESTER) 」

プレイリスト「黒人音楽的80'sポップ:ファンク編 by 高橋芳朗 」

プレイリストで新しい解釈が生まれる――高橋芳朗

――今回のプレイリストですが、高橋さんは「黒人音楽的80'sポップ:ファンク編」、(Mummy-)Dさんには「ブラックミュージック原体験」という、互いに80年代縛りで作成していただいたわけですが。

高橋芳朗(以下、高橋):結構Dくんと選曲がかぶるんじゃないかなと思ってたんだけど……ぜんぜん大丈夫だったね。

Mummy-D:そうだね。なにかしら重複するかと思ったけど……にしても、ヨシくん(高橋芳朗)のプレイリスト、アーティストは知ってるけど、聴いたことない曲が多いなあ。

高橋:そのへんは多少盛ってますので。

Mummy-D:盛ったんだ。

高橋:逆にDくんは、ミニー・リパートンの「Lovin' You」を選曲してくるあたりに潔さを感じますよ。

Mummy-D:“原体験”ということで、あえてヒップホップは外したプレイリストにしました。

高橋:今回のテーマは僕が提案したんだけど、選曲し始めてすぐにこれはちょっとミスったなって思った(笑)。というのも、あのころに好きで聴いたポップスって大抵ブラックミュージック的な要素が入っていたりするんだよね。むしろ“ない”ものを探すほうが難しいんじゃないかってくらい。なので、ここはよりブラックミュージック色の濃いファンク寄りの選曲にしてみました。

Mummy-D:アーティスト名だけで見ると有名どころだけど、この中で売れてない曲とかもあるの?

高橋:結構ある。もちろんチャートの上位にランクインしたような曲も選んでるけど、クラッシュの「The Magnificent Seven」とかローリング・ストーンズの「Too Much Blood」とか、ラリー・レヴァン/ガラージ方面で人気の高い曲も入れてみたり。

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――そこに“ラリー・レヴァン”というポイントを挟み込んでくるのは、高橋さんなりのおしゃれ感が出ていますね。

高橋:そう、それがつまり“盛っている”ということです。

Mummy-D:ヨシくんは本職なんだから盛ってナンボだよ。

高橋:でもこうして当時の曲を改めて聴き直してみると、いろいろと再発見が多いよね。スクリッティ・ポリッティの影はPerfumeの「ナチュラルに恋して」とかから聴き取ることができるし、『Listen Like Thieves』~『Kick』期のインエクセスってジャスティン・ティンバーレイクが『FutureSex/LoveSounds』の頃にやっていたようなことの先駆けだったんだなって気もする。あと、よく言われているようにヴァンパイア・ウィークエンドが好きな若いファンはトーキング・ヘッズと聴き比べてみるときっといろいろと発見があると思うし、マーク・ロンソンって意外にデュラン・デュランの影響が大きいんだろうな、とか。

Mummy-D:へー、なるほどねえ。さすがに俺は(プレイリスト)盛ってないけど、邦楽も入れるとしたら、ゴダイゴやYMO、ラッツ&スターとかも選ぶことになってとっちらかってしまうんで、洋楽でまとめてみた。
 80年代に入った瞬間、俺は10歳で、つまり80年代は丸ごと原体験で、青春のすべてなんだよね。特に洋楽に至っては80'sポップ黄金期で、チャート番組もたくさんあった。とにかく洋楽を聴きたくて聴きたくて仕方なかった時期だったんだよね。

高橋:僕はもともとロック少年だったこともあって、最初ブラックミュージックにはすごく抵抗があった。チャート番組を見ていても、ビリー・オーシャンとかクール&ザ・ギャングとかレイ・パーカーJr.とかが出てくると、正直早いところ終わってくれって思ってたから。ベースの演奏スタイルひとつとってみても、ロックはストラップ長めにして腰を落として弾くのがかっこいいとされているわけじゃないですか。それに対してブラックミュージックはストラップめっちゃ短くして胸のあたりでベンベン弾いていて、そのルックスからしてもう受け付けなくてさ(笑)。Dくんはいきなり入り込めたんでしょ?

Mummy-D:そうね。まったく抵抗なかった。

高橋:マイケル・ジャクソンだけは別格で、よく聴いていたし部屋にポスターを貼ったりもしていたんだけど……なんかすぐには受け入れられなくて。

Mummy-D:俺はどちらかと言えば、小学生の頃から黒人音楽のみを求めていたというか。小5のときにマイケルがムーンウォークで一世を風靡して、ブレイクダンスと出会った。そこから「ヒップホップという音楽があるらしい」という情報を聞きつけ、プリンスなんかも登場してくる。「あ、YMOやゴダイゴに代わる洋楽に出会ったしまったかもしれない、俺……!!」ってワクワクしたのを覚えてるもんね。
 正直さ、プリンスとかルックスは気持ち悪かったじゃん。でも、小さい頃から受け入れていると免疫ができるんだよ。物心つく前から納豆を食べていれば、大人になって無理になるとか抵抗感は起きないでしょ。

――高橋さんとDさんは旧知の仲ですが、青春時代の音楽的趣向は似ているようで似ていないんですね。

Mummy-D:ヨシくんは幅広く音楽を聴いていたからだろうね。俺はどっぷりブラックミュージックだったから。全米チャートだけじゃもの足りず、全英チャートにランクインしているブラックミュージックのほうがマニアックで面白いってことも知って、常にチェックしてた。かなり背伸びしている状態だったけど、そういういわゆる“個性”っていうのは迫害された時代でもあったんだよね。バブル景気も伴って、みんな同じ格好、同じ靴を履いていた。俺が帽子をかぶって歩こうものなら、「うわー、マニアックな人」って思われた時代だったから。考えられる? 頭に何かを乗っけて歩くだけでマニアックって思われるんだよ。

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高橋:確かに、そういう空気はあったかもしれない。

――原体験である一方で、息苦しさもあった?

Mummy-D:個性があってはいけなかったんだよ。だからさ、本当のことを言えば、80年代は丸ごと原体験でありながらも、87年くらいに俺は80年代をドロップアウトしてるの。

――しかし、その7年間で培った音楽的教養が、今なお役立っていると。

Mummy-D:それがルーツだからね。でも、「80's育ち」みたいなことって、あんまり言いたくないんだ。実際、年齢的にも当然のことだからさ。それ以降はヒップホップに傾倒して、60~70年代の音楽を掘り下げて聴くようになったから、むしろ思い入れとしては70年代の音楽のほうが強い。

高橋:その感覚はすごいわかる! 僕は60年代のブリティッシュビートが好きだったこともあって、打ち込みの音になかなかなじめなくて。やっぱり人力の生音が生み出すグルーヴにかっこよさを見出してしまうよね。
 僕がブラックミュージックを聴くようになったきっかけとしては、ブリティッシュビートやモッズの存在が大きくて。例えばローリング・ストーンズの初期のアルバムは収録曲の大半がリズム&ブルースのカヴァーで占められているんだけど、そのオリジナルを探っていくことがひとつのブラックミュージック入門みたいになったところはあるかな。

――当時はまだ出会っていないものの、この頃からふたりの音楽的趣向が絡み合い、わかり合っていけるわけですね。

高橋:あと童貞くさい発言なんだけど、80年代のブラックミュージックの“ブラコン”的な世界観はまだ当時の自分にはアダルトすぎたというか、エロすぎたというのは確実にある(笑)。

Mummy-D:ヨシくん、甘酸だもんね。

高橋:うん。名曲のタイトルを引き合いに出して比べると、「Let's Get It On」(マーヴィン・ゲイ)より「I Wanna Hold Your Hand」(ビートルズ)みたいな。たぶん、こういう僕みたいなロック・ファンは少なからずいて、そういう人たちにブラックミュージックの扉として機能したのがフリーソウルだったのかもね。

Mummy-D:今回のプレイリストにジョニー・ギルを選んでいるけど、俺は逆に20代の頃のほうが、ベタなブラコンのミディアム・ナンバーがすごい好きだったんだよなあ。なんていうの、黒人がセックスするときに聴いてます、みたいな曲。それだけを聴きたくて、当時横浜のソウル・バーに通ってたもんね。「きっとこの曲はやらしいセックスについて歌っているに違いない!」ってしみじみしながら。きっと味わったことのない“濃い世界”に惹かれてたんだと思う。

高橋:語弊があるかもしれないけど、さっきの例でいくとやっぱり横浜とか六本木とかは完全に「Let's Get It On」な街だよね。

Mummy-D:それは語弊があるでしょ。

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高橋:もう偏見以外のなにものでもないんだけどね(笑)。でも、ブラコン的な世界観や美意識は絶対に相容れないものだと思っていたのは事実で。だから、もし当時Dくんと出会っていたらまったく話が合わなかっただろうけど、ある意味そういう水と油なふたりを結びつけてくれたのがヒップホップだったともいえるよね。

Mummy-D:ヨシくんに「Lovin' You」を選曲した勇気って言われたけど、当時の俺はそれがブラックミュージックとは思えなかった、ってこともあってさ。18歳くらいだったかな、初めて聴いたの。そのとき俺は“フォーク・ミュージック”だと思って聴いてたんだ。ブラコンが好きである一方で、ブラックミュージックに白人的センスが混在しているものも好きなんだな自分、って思ったり。そういう聴き方をしてきたことが大人になってわかって、それがあったからこそヨシくんと音楽の話が合うのかもしれない。

     
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