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柴那典 Mrs. GREEN APPLE『Speaking』レビュー

Mrs. GREEN APPLEの“技あり”な新曲を聴く カラフルなポップセンスと歌心でシーンに挑む

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 いよいよブレイク目前の新鋭ロックバンド、Mrs. GREEN APPLE。平均年齢21歳、作詞作曲を手掛ける大森元貴(Vo&Gt)はまだ高校を卒業したばかりという若き5人組が、今、各方面からの熱い注目を集めている。

 2013年結成の彼ら。活動を始めた当初から楽曲のクオリティとエネルギッシュなパフォーマンスが評判を呼んでいたが、2015年はバンドにとっても大きな躍進の一年となった。7月にEMI Recordsからミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。直後に「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO」など大型フェスに出演。9月には初のワンマンを渋谷WWWで行い、12月には東名阪ワンマンツアーが実現し、東京公演の恵比寿リキッドルーム他全会場は即完でソールドアウト。雑誌やCS放送のパワープッシュの追い風を受け、ぐんぐん動員を伸ばしている状態だ。

 そんな彼らにとって、さらなる強力な一手となりそうな新曲が、12月16日に発売されるシングル『Speaking』。アニメ『遊☆戯☆王ARC-V』のエンディングとしてすでにOAされているナンバーで、9月の初ワンマンでもアンコールで披露されている。この記事では、この曲を切り口に、バンドのポテンシャルを分析していきたい。

Mrs. GREEN APPLE「Speaking」

 というのも、この曲の持つ即効性、キャッチーさは、今の若手バンドがJ-POPのフィールドで戦っていくための“強度”の象徴だと言えるからだ。

 特にこの曲はアニメタイアップとなっているわけなので、アニメのEDテーマとして流れる89秒のバージョンを聴くと、とてもわかりやすい。開始1秒で「ジャン!」と一発ギターを鳴らして歌が始まる。最初に聴いた時に「お、この曲は頭サビなのかな」と思わせるほどキャッチーなAメロ。そして23秒からBメロが始まるのだが、これがまた一度聴くと覚えてしまう吸引力の強いメロディにEDMシンセが飛び交う派手な展開で、そのままテンションを高めて36秒から四つ打ちビートのサビに突入する。キラキラした開放感あるメロディを歌い、ギターのキメのフレーズまで織り込んで64秒。ブリッジを挟んで2サビに突入し、きっちり歌いきって「♪ドドタタッ」というリズムのキメで締めくくって89秒。とてもめまぐるしい曲展開なのだが、スピーディーなテンポの中に聴き手の耳を惹くフックを沢山詰め込んでいる。まるで体操選手が鉄棒で難度の高い技を次々と繰り出して最後に着地をビシっと決めるみたいな、そういう“技あり”の曲になっている。

 そしてもう一つのポイントは、そういうカラフルで情報圧縮的なポップセンスを体現している一方で、曲の中心にはあくまで伸びやかなハイトーンを響かせる大森元貴の歌がある、ということ。サウンドやアレンジ面の仕掛けは多くても、あくまで歌心が曲が持つ魅力の核の部分になっている。彼は自らのルーツにMONGOL800を挙げている。思わず口ずさみたくなるような人懐っこいメロディーは、そこに由来するものでもあるだろう。

      

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