冬将軍がウワサのガールズバンドを目撃
ドラムとキーボードが歌い、ダンサーが盛り上げる Gacharic Spinの“エンタメ力”に迫る
アイドル性、アニメ的アイコン、そしてガールズバンド……。分野をまたがる“女子”要素を兼ね備えている存在がいる。10月1日にメジャーデビューを果たした、Gacharic Spin(ガチャリックスピン、通称:ガチャピン)だ。しかしながら、“カワイイ”を売りにしているというわけではない。卓越した演奏力、スピード感、緊張感、そして攻撃性、どれをとってみても並のガールズバンドではない。アクの強さともいうべきキャラ立ちの個性とともに、聴く者、観る者を圧倒させる破壊力を持つ“全力エンターテイメントガールズバンド”の魅力に迫ってみたい。
Gacharic Spinとは?
ギター、ベース、ドラム、キーボード、センターボーカルがいない上にダンサー2人という、奇抜な編成。ハードなサウンドと派手な出で立ちは、まさにガチャガチャしたつかみどころのないバンドである。最初はインパクトの強さに戸惑いつつも、しっかり聴けば、目を見張る凄腕揃いの演奏陣と秀逸なアレンジ、キャッチーなメロディーなど、楽曲クオリティの高さに気が付くはずだ。
はなの力強い歌声と、歌いながらとは思えないパワフルなドラミング、F チョッパー KOGAの頭を振り乱しながらの超絶技巧スラップベース、TOMO-ZOの笑顔振りまきながらしれっと繰り出すギターテク、オレオレオナのセクシーキーボードプレイ、まい・ありさのキレキレのパフォーマンス。「ここまでやるか?」と思わずにはいられない予想の斜め上を行くネタ要素満載の発想と演出は、バンドの既成概念すら覆してしまう。観て、聴いて楽しむことのできる彼女たちの存在は圧巻としか言いようがないのだ。
凄腕プレイヤー集団
元グラビアアイドル出身という異例の出自ながら、そのルックスからは想像のつかないパフォーマンスとテクニカルプレイで魅了するF チョッパー KOGAの存在は楽器経験者であるなら、機材誌などで目にしたことがあるかもしれない。(参考記事:三好春奈(HaKU)、Hisayo、かわいしのぶ……センスが光る女性ベーシスト6選 )
腕が立つのは彼女だけではない。ドラムのはな、ギターTOMO-ZO、それぞれが教則DVDをリリースしているほどの凄腕プレイヤー集団なのだ。 AKB48がバンド結成した『GIVE ME FIVE!』の演奏・パフォーマンス指導も彼女たちが担当している。 アメリカのハイエンドギターメーカー、ポール・リード・スミスが数少ない日本人プレイヤーとしてコラボしていることからも、その実力は折り紙付きである。
テクニカルプレイヤーとしても定評のある彼女たちではあるが、これみよがしな速弾きなどの個人プレイには走らない。楽曲と歌を前面に出し、プレイはあくまでアレンジの一環であり、適材適所に見せる飛び道具である。一丸となったバンドサウンドを第一に考える姿勢だ。