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世界の3大メジャーは売上増 デジタル部門が成長ドライバーに

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 世界の大手レコードレーベルの四半期決算が出揃った。今回は3大メジャーと呼ばれるソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループ、ユニバーサル・ミュージックそれぞれのレポートに目を向けて、最新の業界動向をお伝えする。

 まずはソニー・ミュージックエンタテインメント。本体であるソニー株式会社が2月6日にリリースした「平成26年度3月期 第3四半期決算短信[米国基準](連結)」(参考:Sony Japan)によると、音楽部門の売上は前年同期比14.4%増の1447億円。部門毎にみると音楽制作が14.5%増の1073億7300万円、音楽出版が27.6%増の142億5500万円、映像メディア・プラットフォーム事業が9.5%増の226億7000万円となった。売上の中核を担う音楽制作では「A&Rの強化によりヒット作品の継続的なリリースに成功し、革新的なマーケティング戦略においても成果を上げた」とのこと。その例として発売前の広告宣伝やマスコミ向け活動を一切行わず、発売当初はデジタル配信のみで販売したビヨンセの新作アルバムが2013年12月13日の発売から同月末までに全世界でアルバム230万枚相当の売上を記録したことが挙げられた。日本においては前年同期に多くのヒット作があった影響などから減収となったが、それ以外の多数の地域ではデジタル配信の増加が牽引となり増収となったことも指摘されていた。

 続いてワーナー・ミュージック・グループ。同社が投資家に向けて2月6日にリリースした業績レポート(参考:Warner Music Group Corp)によると、全体の売上は前年同期比7%増の8億1500万ドル(約831億3000万円)。部門毎にみると音楽制作が5%増の6億9100万ドル(約704億8200万円)、音楽出版が10%増の1億2800万ドル(約130億5600万円)となった。ワーナー・ミュージック・グループは売上に占めるデジタルの割合も公表しており、それによると前年同期比9%増の2億7600万ドル(約281億5200万円)となった。同社CEOのStephenCooper氏はレポートで次のように述べている。「今季はストリーミングの力強い成長や音楽出版の堅調な売上により幾つもの明るい兆しが見えた」。

 最後に世界最大の音楽レーベルであるユニバーサル・ミュージック。親会社であるビベンディ社が2月25日にリリースした「2013 Results in line with expectations ina challenging environment」(参考:vivendi)によると、第4四半期の売上はメジャー3社のなかで唯一となるマイナス、前年同期比3.3%減の14億8800万ユーロ(約2097億384万円)となった。しかし同社は2013年度全体の売上も公表しており、それによると今年度の売上は前年度から12.8%増の48億8600万ユーロ(約6885億3500万円)へと二桁成長している。特筆すべきなのは初めてデジタルの売上がCD等によるフィジカルの売上を上回ったこと。そのうち定量課金およびストリーミングサービスの売上は前年から75%成長し4億5000万ユーロ(約634億1850万円)となった。同レポートでは「(世界で2番目の大きさをもつ)日本の音楽市場を取り巻く環境の困難さ」に言及しつつも、世界的なヒットとなったエミネムやケイティ・ペリー、イマジン・ドラゴンズ、レディー・ガガ、ロビン・シックがセールスを牽引し成長に貢献したと結んでいる。

 CDが売れなくなったと言われて久しいが、メジャーレーベル各社のレポートを見るとそれを補うよう様々な努力がなされていることが分かる。なかでもデジタル売上の成長、ストリーミングサービスの拡大は音楽メディアが確実に変わりつつあることを示していると言えるだろう。現状はユニバーサル・ミュージックに見られるように「CDの落ち込み分をデジタル(主に音楽配信)で支える」という構図だが、今後も急成長を続けることが予想されるストリーミングサービスの売上が果たしてCD(ないし音楽配信)分の売上をカバーできるまでになるのか、引き続き動向を注視していきたい。
(文=北濱信哉)

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