家庭用ゲーム機にも値上げの波? 任天堂とソニーは“メモリ危機”をどう切り抜けるのか

任天堂とソニー、メモリ危機への対応は

 現在、PC業界に押し寄せている半導体メモリ枯渇と価格高騰の波。この状況は、家庭用ゲーム機市場にも大きな影響を及ぼすかもしれない。実際に昨年末から任天堂の株価が30%以上下落したことが波紋を呼んでいる。

 今のところハードの値上げなどが報じられているわけではないが、先行きは不透明だ。この危機に大手ゲームメーカー各社は、どのようなマネタイズを模索しているのだろうか。

ゲーミングPCに続き、家庭用ゲーム機も値上げか

 そもそも半導体メモリの高騰で真っ先に影響を受けているのは、ゲーミングPCだ。SSDやグラフィックボードなどのPCパーツも値段が跳ね上がっており、その混乱はしばらく続くとも見られている。

 こうしたゲーミングPCの価格高騰を受けて、コスパの良い家庭用ゲーム機に注目する人は多い。しかし当然ながら、家庭用ゲーム機の部材にも半導体メモリは使用されており、今後Nintendo Switch 2やPlayStation 5が値上げされるのではないかとも予測されている。

任天堂とソニー、両社の見解は

 なお任天堂は、昨年11月5日の2026年3月期 第2四半期決算説明会/経営方針説明会で、この問題に言及。「部材価格の高騰によるSwitch2ハードの採算性への影響」という質問に対して、「今後も量産を進めることで、原価低減を見込める部分もあります」「そのため、現時点では、足元の部材価格の上昇による採算性への大きな影響は想定していません」と回答していた。

 他方で、ソニーもこれに近い見解のようだ。昨年11月11日の2025年度第2四半期事業説明会では、「メモリ価格の上昇によるハードウェアの収益性への影響」を質問された際、「今期に関しては、既に部材は確保済みであり影響はないが、部材価格が高くなるとハードウェアの収益性に影響があるため、注意深く市場動向を見ている」と答えていた。

ソニーが見据える「既存コミュニティでのマネタイズ」

 ただしソニーの質疑応答では、今後の方針として、「ハードウェアの収益性への影響を最小限にするというよりも、既存のコミュニティの中でしっかりマネタイズすることで収益基盤を作っていくことが重要だと考えている」とも述べられていた。これは任天堂とソニーの戦略的な違いが出た部分と言えるだろう。

 ソニーは任天堂と同じく、自社で提供するファーストパーティのゲームソフトを強みとしている。しかしそれとは別に、PlayStation Plus(PS Plus)といったネットワークサービスに力を入れていることも大きな特徴だ。

 PS Plusはユーザーが定額で加入できるサブスクリプションで、「エッセンシャル」「エクストラ」「プレミアム」という3つのプランからなる。それぞれ内容が異なるが、毎月配信される人気作を入手できる「フリープレイ」や、豊富なゲームを遊べる「ゲームカタログ」「クラシックスカタログ」といった機能を利用できる仕組みだ。

 質疑応答で語られていた「既存のコミュニティ」が生み出す収益基盤とは、こうしたネットワークサービスの展開を念頭に置いたものだろう。PlayStation 5本体はすでに世界累計8,400万台以上を販売しているため、収益が安定しており、メモリ価格の高騰はさほど深刻な影響を及ぼさない……という見通しなのではないだろうか。

2月の決算報告で今後の方針が明らかに

 2月上旬には、任天堂とソニーの決算報告が予定されているため、そこで今後の方針があらためて発信されるはず。激動のゲーム業界をどのように切り抜けるのか、注意深く見守りたい。

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