PS5に思わぬ追い風? ゲーミングPCの高騰で家庭用ゲーム機の“コスパ”再評価の声

ゲーミングPCの高騰でPS5に思わぬ追い風?

 家庭用ゲーム機の時代は終わり、ゲーミングPCの時代がやってきた──。昨今のゲーム業界では、一部にせよそんな風潮が生まれていたように思われる。しかし昨年末から続いているPCパーツの値上げ騒動によって、今後の状況は一変することになるかもしれない。

 騒動の背景となっているのは、生成AIの爆発的な普及だ。これに伴いAIサーバーへのリソース集中が起こり、半導体メモリやSSD、グラフィックボードなどの深刻な供給不足と価格高騰につながっている。その影響がPCメーカーやBTOショップにも波及した結果、販売されるPC本体の価格も大きく変動しているという状況だ。

 こうした混乱がいつまで続くのかという見通しは定かではなく、短期間では終わらないという予測も多い。昨年12月10日には、マウスコンピューターの公式Xアカウントが「現在パソコン購入をご検討中の方へ 悪いことは言いません、なるべくお早目の購入をオススメします!!本当に!!買うなら今です……!!」と呼び掛け、大きな反響を呼んでいた。

 とくにゲーミングPCの場合は、高性能なパーツを使用することもあり、価格高騰の影響が直撃している最中。そこでSNS上では、「ゲーミングPCがここまで高騰したらCS機がコスパ最強と言わざるを得ない」「昨今のパーツの高騰を見ると、コンソール機の需要はまだまだありそう」など、家庭用ゲーム機を再評価する意見が目立つようになっている。

 もちろん本来ゲーミングPCと家庭用ゲーム機は対立するものではない。Nintendo Switch 2やPlayStation 5にも半導体メモリは使われているため、今後値上げが発表される可能性は十分あり得るだろう。

 とはいえ「ゲームを快適に楽しむ」という用途で見れば、そもそも家庭用ゲーム機はゲーミングPCと比べてコスパが良い作りとなっている。その理由としては、ゲームソフトを開発する際にハードへの最適化が行われていることや、メーカー側がハードの価格を抑えてソフトで利益を出す“逆ざや”戦略を取ることなどが挙げられる。

 とくに最近の動きでいえば、日本向けに仕様をカスタマイズした「PlayStation 5 デジタル・エディション 日本語専用」のリリースが印象的だ。ディスクドライブ非搭載モデルではあるものの、定価が55,000円(税込)となっており、実質的な廉価版と言える。もしゲーミングPCで最新のゲームを遊べる環境を作ろうとするなら、この価格で抑えるのはかなり難しいだろう。

 さらに上位モデルにあたる「PlayStation 5 Pro」は、グラフィック性能などのスペック面を追求しているのが特徴。AIによる超解像技術「PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション」や、陰影や光の反射を緻密に表現する「アドバンスドレイトレーシング」などを取り入れており、対応するゲームを4Kテレビに出力したり、最大120fpsの高フレームレートで出力したりできる。定価は11万9,980円(税込)と通常の「PlayStation 5」より高価だが、ゲーミングPCの相場と比べれば十分安価だ。

 ゲーム業界に思わぬ形で吹き荒れる変化の風。これまでゲーミングPCを選んでいた人々にとっても、今後は家庭用ゲーム機という選択肢が入り込んでくるかもしれない。ソニーや任天堂がどんな方針を打ち出してくるのかも含めて、動向を見守っていきたい。

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