Suno、「所有権ルール変更」報道を否定 レコード会社との提携で揺れるAI音楽生成プラットフォーム

AI音楽生成プラットフォームのSunoが、利用規約における「所有権」の表現をめぐり、公式Xで釈明を行った。Sunoで出力した楽曲の所有権については、海外メディアの報道をきっかけにユーザー間で「有料会員でも楽曲を所有できなくなった」との懸念が広がっていたが、同社は「所有権のルールは変更していない」と説明している。
「所有権の定義変更」報道が波紋
この件が広く知られるきっかけとなったのは、海外音楽メディア「Music In Africa」が2025年12月26日に公開した記事だ。同記事は、Sunoがウェブサイト上の「権利と所有権」セクションを更新し、AI生成楽曲の所有権の定義を見直したと報じた。
記事によると、以前のSunoの規約では「有料プランで生成した楽曲は加入者が所有する」と明記されていたが、更新後は「商用利用権が付与されても、出力はSunoによって生成されたものであるため、一般的に楽曲の所有者とは見なされません」という表現に変更されていたという。
また音楽系YouTuberのLanewood Studiosもこの件を取り上げており、2025年12月31日に公開された動画では、所有権ルールは少なくとも2025年11月26日までは以前のままだったことが報告されている。
Sunoが公式声明「所有権ルールは従来通り」
この報道は国内外で反響を呼び、日本でもXユーザーの間で議論が広がったが、こうした状況を受け、Sunoは日本時間2026年1月7日、公式Xアカウントで声明を発表。同社は「最近、ナレッジベース(FAQ)を更新しましたが、プラットフォーム上の所有権について明確に説明できていませんでした。多くの方がこの点に気づき、深く関心を持ってくださったことに感謝します」と述べている。
その上で、所有権について以下のように説明している。
「ProおよびPremierプランで作成した出力物は、お客様が所有し、商用利用権も付与されます。Basic(無料)プランの場合、作成した出力物の所有者はSunoであり、非商用目的でのみ使用が許可されます」
さらにSunoはナレッジベースを以前のバージョンに戻したことを明らかにし、「ナレッジベース記事が変更されていた期間中も、出力物の所有権に関する規定に変更は一切ありませんでした」と強調。詳細については2025年11月6日に最終更新された利用規約を参照するよう案内している。
We recently made an update to our Knowledge Base (FAQ) and it didn't clearly describe ownership on our platform. We appreciate that so many of you picked up on this and that you care so deeply. So, we want to clarify: you do own the Output you make in the Pro and Premier plans…
— Suno (@suno) January 7, 2026
For more information on Output ownership and Suno in general, please consult our Terms of Service, which was last updated on November 6, 2025.
— Suno (@suno) January 7, 2026
背景にあるレコード会社との提携
今回の混乱は、AI音楽業界全体が大きな転換期にある中で起きた。2024年6月、Warner Music Group(WMG)、Universal Music Group(UMG)、Sony Music Entertainmentの大手レーベル3社は、Sunoと競合サービスのUdioを著作権侵害で提訴。AIモデルの学習に大量の楽曲を無断使用したと主張していた。
しかし2025年後半に入り、状況は一変。UMGは2025年10月にUdioと和解・提携を発表し、WMGも同年11月にSuno、Udioの両社と相次いで和解・提携。こうした状況からAI音楽生成プラットフォームと音楽レーベルの関係は、対立から協調路線への転換が進んでいると言える。
Udio partners with UMG. Please check out our blog post here 👉 https://t.co/ebQ8rY717w pic.twitter.com/7SH8yFgLvH
— udio (@udiomusic) October 30, 2025
Suno is partnering with the Warner Music Grouphttps://t.co/Bu88Ty8YgP
— Mikey (@MikeyShulman) November 25, 2025
今回、Sunoは所有権ルール自体は変更していないと釈明したが、レーベルとの提携に伴い、サービス内容は変化している。例えば、SunoはWMGとの提携発表後、無料ユーザーのダウンロード機能を廃止し、有料ユーザーにも月間ダウンロード上限を設けると発表した。UdioもUMGとの和解発表と同時にダウンロード機能を即時停止し、ユーザーから強い反発を受けている。これらの制限は所有権の変更ではないものの、ユーザーが自分の作品を自由に利用できる範囲に実質的な影響を与えている。
また、現在もSunoはUMGとSony Music、UdioはSony Musicとの訴訟を継続しており、今後さらなる提携や和解が成立すれば、サービスの利用規約が新たに変更される可能性は十分にある。それだけに引き続き、ユーザーは規約の変更に注意を払う必要がありそうだ。
参考
https://www.musicinafrica.net/magazine/suno-adjusts-ai-music-ownership-terms-after-warner-music-partnership
https://www.youtube.com/watch?v=dKQ337pUMmg
https://help.suno.com/en/articles/2416769
https://suno.com/blog/wmg-partnership
https://www.udio.com/blog/a-new-era
https://www.udio.com/blog/udio-warner























