元Appleデザイン責任者とOpenAIが開発する「AI」デバイスとは?

2025年の大きなトピックとなった、「AI(人工知能)」。この先端のテクノロジーと、ハードウェアを組み合わせようとする試みが、各社から発表された。その中でも最も注目を浴びているトピックのひとつが、Appleの元最高デザイン責任者のジョナサン・アイブと、AI企業のOpenAIによるプロジェクトだ。
謎のプロジェクト「io」
2025年7月、OpenAIはアイブ氏のAIスタートアップ「io Products」の買収を完了したと発表した。OpenAIを率いるサム・アルトマン氏は2年間にわたり協力しており、AIデバイスの開発を表明している。
買収の発表から今日まで、OpenAIによるデバイスの概要は明かされていない。アルトマン氏は最初のデバイスのプロトタイプを自宅に持ち帰ってテストし、「私はこれで生活できている。世界がこれまでに目にした中で、最もクールなテクノロジーだと思う」と語っている。
ウェアラブルではない?
OpenAIによるデバイスは、どのような姿になるのだろうか。少なくとも、スマートフォンやスマートグラス(スマートメガネ)ではないようだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルが確認した社内情報によれば、このデバイスはポケットに入れたり、MacBook ProやiPhoneと並んでデスクに置いたりできる「第3のコアデバイス」になる。本体はポケットサイズで、周囲の状況や生活を認識し、ディスプレイは搭載されないという。
首にかけるiPod Shuffleのよう?
このデバイスに関して著名アナリストのミンチー・クオ氏は、「iPod Shuffleのようにコンパクトでエレガント」だと報告している。iPod Shuffleは最も低価格でディスプレイを搭載しないiPodで、その形状は長方形から正方形へと進化した。
クオ氏によると、OpenAIのデバイスにはディスプレイは搭載されず、スマートフォンやコンピューターと接続できるという。本体には音声制御用のマイクと、ユーザーの周囲の状況を分析できるカメラが搭載される。デバイスはネックレスのように首にかけるだけでなく、クリップで衣服に取り付けることができるという。
名称は「io」ではない?
一方で、気になる報道も登場している。AIオーディオのスタートアップ企業iyOが、「io」というブランド名は自社の名称に近すぎる上、同社が開発しているAIハードウェアに関連していると主張した。そして米国の裁判所は、OpenAIに対して「io」という名称を使用することを禁じる一時的な差し止め命令を支持した。
訴訟手続きは今後も続く予定であり、またiyOも方針を変更する可能性があるため、OpenAIが「io」を製品に名付けられるかどうかは不透明だ。
発売は来年にも?
OpenAIは2026年に、デバイスの詳細を発表すると明かしている。またアナリストのクオ氏は、製品が2027年に量産に入ると予想しているが、最終的なデザインと仕様はそれまでに変更される可能性があるという。
アップルの元最高デザイン責任者とOpenAIによる、野心的なハードウェアのプロジェクト。世間をあっと言わせるような製品の登場に、期待したいものだ。
参照
https://www.macrumors.com/2025/05/21/openai-buys-jony-ive-ai-startup/
https://www.macrumors.com/2025/05/22/details-leak-jony-ive-openai-device/
https://www.macrumors.com/2025/05/22/ming-chi-kuo-on-openai-device-design/
https://www.macrumors.com/2025/12/05/openai-device-barred-from-io-name/

























