イチナナライバーが都内大型野外フェスのトップを飾るーー八巻志帆の『TOKYO ISLAND 2025』出演をレポート

野外音楽フェスティバル『TOKYO ISLAND 2025』が、10月11日から13日までの3日間、海の森公園(東京都江東区)にて開催された。各日のトリを務めたのは、初日がSCANDAL、中日が氣志團、最終日がSHISHAMO。オープニングアクトとしてその日のフェスをスタートさせたのが、ライブ配信アプリ17LIVEのライバーだった。本記事では、バスクラリネット奏者の「shiho_bscl |八巻志帆」が出演した初日の様子をレポートする。
『TOKYO ISLAND』は2022年に始まった音楽フェスで、東京ドーム13個分、東京ディズニーランドとほぼ同じ広さを誇るお台場地区『海の森公園』を会場としている。朝から雨が降りしきる厳しい環境下ではあったが、会場にはリハーサル時間から八巻のグッズを着たファンが集結。もちろん、フェスTやほか出演者のTシャツを着用した参加者も多く集まってきていた。
『VIVA LA ROCK』の立ち上げでも知られるフェス主催者の鹿野淳氏は、前説として八巻を「面白い、非常にスペクタクルなライブをやっていただきます」と紹介。その言葉通りに八巻のライブはバスクラリネットの音色をメインに、自身の声やクラップ、打楽器のギロ、シンセといった様々な音をループステーションで重ね、独自の世界観を作り上げていった。「私たちが見えていないものの方が多く存在しているらしい。もしかしたら、いま恵みの雨のなかは色とりどりの透明なお魚ちゃんたちが、目の前を泳いでいるのかもしれない。そんな風に思いながら作った曲をお届けしたいと思います」というMCの後に披露した楽曲は、しとしととやむことのない雨をむしろ迎え入れるような、そんな幻想的な音楽の世界を展開していた。音楽フェスに出ることを目標にしていたという八巻にとって、自分のファンだけでなく、そこに集まった参加者が一緒になって自身の音に乗り手を振ってくれるという、この先ずっと忘れられない光景になったはずだ。
今回の出演権をかけたオーディションの模様は、9月20日深夜に『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)にてオンエアされた。MCにトンツカタン・森本晋太郎、審査員に鹿野淳、BIGMAMA 金井政人が参加したオーディションで、八巻はColdplay「Viva La Vida」をカバー。バスクラリネットとボーカルをルーパーでダビングしながら、その瞬間にしか生まれないハーモニーを作っていった。オンエアでは、ドイツでジャズバスクラリネットコースに在籍し、世界の音楽を学んだことを語り、「ムカデとの対峙」をテーマにバスクラリネットの即興演奏も披露した。
八巻のほかにも、フェス2日目はライバーの鈴木りゅうじ、3日目はALLIEがオープニングアクトを務めあげた。また、会場には17LIVEのフォトブースも登場し、鈴木りゅうじ、ALLIEのほか、アンバサダーとして活躍しているちーもんnurse、まいたん.が来場し、ファンとの交流や記念撮影を行っていた。撮影した写真データは持ち帰りができ、先着100名には撮影した写真をフォトブックにして後日プレゼントとして贈られるという。
『オールナイトニッポン0(ZERO)』でのオーディションから、『TOKYO ISLAND 2025』のステージに立つまでの過程を見ていて感じるのは、そこまでに番組リスナーやフェス参加者の目に止まるような出会いがあり、ブレイクのチャンスの瞬間でもある。今回、大活躍を見せた八巻。これがゴールではなく、ここからさらに羽ばたく姿を期待したい。また、ライバーを未来へと繋げる役割にあるのが17LIVEであり、今回のフェス出演をかけたオーディションは、その大いなる可能性を提示したのではないかと思う。


























