「マルチモーダルAI」と「収音機能」を纏って更に進化した 超薄型AIボイスレコーダー『Plaud Note Pro』の実力

超薄型AIボイスレコーダーの凄さ

 どの業界においても、AIが重要なキーワードになっているのは今や言うまでもないだろう。中でもビジネスと関わりが深く、なおかつAIによるエンパワーメントを享受しているのが、ボイスレコーダー界隈だ。

 このジャンルは、一般的に「AIボイスレコーダー」とも呼ばれている。従来のボイスレコーダーは音声を録音するのが役割で、文字起こしや音声の整理といった後処理は人の手で行っていた。AI機能の普及で、こうした後処理は過去のものになりつつある。

 そんなAIボイスレコーダー界隈でも、デザインと使いやすさにおいて頭一つ抜けているのが「Plaud」シリーズだ。その最新モデルとなる『Plaud Note Pro』がついにローンチされた。

Plaud Note Pro

 一見するとボイスレコーダーとは思えない、まるで未来のガジェットのようなデザイン。その使用感を詳しく紹介していこう。

工芸品を思わせる優美なデザイン

Plaud Note Pro

 驚くべきはこの薄さ! 2.99mmの極薄筐体には、4基ものMEMSマイクを内蔵している。重量は30gで、もはや名刺入れを持ち歩く感覚と変わりはない。これだけでも「荷物になるからボイスレコーダーは持ち歩きたくない」という要望を解消できているのは明白だ。

Plaud Note Pro

 本体の上部にはAMOLEDディスプレイを搭載。スマホなどにも採用されているCorning Gorilla Glass製で、堅牢性も高い。ディスプレイでは動作状況やバッテリー残量などが確認できる。これによりバッテリー残量が直感的に視認でき、なおかつ「ちゃんと録音できてる?」という不安もなくなる。

Plaud Note Pro

 ボタンを長押しすると録音開始。短押しするとバッテリー残量が確認できる。必要最低限の情報しか表示されないため、例えばインタビューなど対面で録音する際も圧迫感を与えにくい。

Plaud Note Pro

 ボディはアルミ素材で、波打つようなリブ加工が施されている。金属質な手触りは高級感があるだけでなく、滑りにくさも良好。ポケットやバッグから取り出す際もストレスフリーだ。

 ここまで見ると、デザインが優れたユニークなガジェットといった風にも見えるだろう。だが『Plaud Note Pro』の真価はここからだ。

高精度な音声処理と、便利すぎるAI要約機能

 『Paud Note Pro』に搭載されている4基のMEMSマイクは、最大5mまで収音可能。ちなみにノーマルモデルの『Plaud Note』は、2基のMEMSマイクを搭載しており、収音範囲も3mであった。マイク性能も大幅に向上していることがわかる。

Plaud Note Pro

 インタビューや打ち合わせ、会議などの際には『Plaud Note Pro』を取り出して、録音開始。基本的な使い方はこれだけだ。録音中はディスプレイにライトが点灯し、しっかり動作しているのがわかる。

 さて、AIボイスレコーダーとしての真価はここからだ。録音した音声はペアリングしているスマホのアプリを介してチェックできる。実際にみていこう。

 アプリからは収録した音声の再生、文字起こし、および要約が可能。文字起こしはクラウドで処理されるため、精度も高い。概要部分には時間帯ごとに見出しを用意してくれるので、音声をプレイバックして会話内容を振り返る手間は不要だ。正直、これだけでもとてもありがたい。

Plaud Note Pro

 要約をすると、さらに詳細なタイトルや見出しを交えて会話の内容をまとめてくれる。まとめ方にも複数の切り口が用意されているようで、会話のムード、要点の流れ、心に残る言葉、重要なキーワードなどを抜粋してくれる。なんとマインドマップまで用意してくれるので、会話を構造化して整理したり、重要なポイントにフォーカスすることも簡単だ。

 さらに「マルチモーダル入力」を使えば、音声・テキスト・画像・ハイライトを統合しててAIが処理。使い方は簡単で、例えば講演などでメモやキーワードを「ノート」でテキスト入力しながら『Plaud Note Pro』の録音ボタン(またはアプリのジェットボタン)をタップ。

 録音しながら、スマホのカメラでホワイトボードなどを撮影していくと、録音後には音声やテキスト、画像などを統合し「ノート」セクション内で時間軸ごとに纏めてくれ、ひとつの文脈としてAIが処理してくれる仕組みだ。これにより、話者の背景や意図までもしっかり把握してくれる。

 また、AIに質問できる「Ask Plaud」を使えば、指定したキーワードのみをAIにまとめてもらうことも。例えば先述のワイヤレスイヤホンの会話のなかで「音質についてどう評価している?」などと質問すれば、音質に関する部分について回答してくれる。長時間の録音において、これほど心強い機能はないだろう。

Plaud Note Pro

 付属のレザーケースにはMagSafeが内蔵されており、対応したスマホにピタリと付けることが可能。この状態では通話時の音声も録音できる。従来モデルでは通話時の録音とそうでない場合とでモードを切り替える必要があったのだが、『Plaud Note Pro』は自動で切り替えてくれる。この際の仕組みは内蔵の振動接触センサーが判断しているようだ。

Plaud Note Pro

 なので、ケースに入れた状態で通常の録音も可能。実際に講演などに持っていって録音を試してみたが、問題なく集音できていた。

あまりにも手軽に持ち歩ける、第二の記憶脳

 充電には専用のポゴピンコネクタを使う。ケース背面に充電用の穴が空いているので、ケースに入れた状態でも充電は可能だ。バッテリーは500mAhで、公称値では最大50時間の連続録音(長時間駆動モードの場合)、最大60日のスタンバイ時間を謳っている。なお、筆者が使った際は1時間20分の録音で4%のバッテリー減少を確認できた。内蔵ストレージは64GBとなる。

 『Plaud Note Pro』には無料プランのほか、2つの有料プランが用意されている。無料では月間300分までの文字起こしが可能で、要約機能も利用できる(※「Ask Plaud」を含めて全てのAI機能は無料プランでも利用可能)。有料プランでは文字起こし時間の延長などが可能となる。7日間の無料体験もあるため、まずは使ってみて感触を確かめてみるのが良いだろう。

 もはやAIボイスレコーダーは音声を録音するだけのデバイスにあらず。会話というプレイバックが困難なコミュニケーションに対する特効薬であり、優秀な秘書にもなれる存在だ。

 手元に『Plaud Note Pro』があるだけで、ビジネスのあらゆる「思い出す」というコストをすべて任せられるのだから、その有用さは計り知れない。魅力的な本体デザインのおかげで、手元に置いておきやすいのも利点だろう。たった2.99mmの金属板が、あなたのビジネススタイルを根本から変えてしまうかもしれない。

参考情報
https://jp.plaud.ai/products/plaud-note-pro

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