ロボット掃除機はここまで進化した ミリ波レーダー搭載&6cmの二重段差も乗り越える最新マシンの実力とは

中国のスマート家電メーカー、ドリーミーテクノロジーは最大6cmの段差を乗り越えることができるロボット掃除機『X50 Ultra』の予約をスタートした。同製品は今年米国ラスベガスで開催された「CES 2025」で発表したものだが、このほど日本での発売を正式決定。4月中旬以降に発送予定だ。価格は22万9800円。

畳部屋の段差を乗り越えて自動的に掃除
『X50 Ultra』は新たに開発した「ProLeapシステム」を搭載。これは、底部左右に本体を持ち上げる伸縮式の脚を装備したもので、前部に搭載したAIカメラが乗り越えられる段差を検知すると、底面から脚が出て本体前部を持ち上げる仕組み。一度に上がることができる段差は4.2cmだが、さらに1.8cmを加えた合計6cmまでの二重段差を乗り越えられる。


日本の場合、廊下や二間続きのリビングから畳敷きの和室に入る際に数cmの段差があるケースが多い。その場合でもロボット掃除機が乗り越えて全室を掃除できるのは便利だ。このほか、パイプ椅子の足なども、乗り越え対象として想定している。
昇ることができるのなら、もちろん降りることも可能だが、開発に際して苦労したのが堅牢性だ。大きな段差を降りるとき本体に大きな衝撃が加わる。この時、内部のパーツがズレたり破損したりするとロボット掃除機自体の機能が失われてしまう。そこで、内部の機構・パーツを全て作り直し、衝撃に耐えられる仕様とした。また、衝撃吸収性能を改善した結果、静音性も10%ほど改善したとのことだ。
なお、玄関のような6cmを超える段差に関しては、センサーが検知して落下しないよう制御する。
頭が引っ込んでソファの下に潜る
もうひとつ新機能として、自動で高さを調節して家具の下の狭い隙間に潜り込めるようになったことがある。『X50 Ultra』には上部に360°スキャンできるレーザーセンサーを搭載、暗い部屋や狭い場所を正確に認識し、200種類の障害物を回避したり部屋のマッピングを行う「VersaLiftナビゲーション」機能を搭載しているが、ソファなどの狭い隙間を検知すると、このレーザーセンサーを格納し、進んでいく。潜り込める高さは最低89.5mmまで。


肝心の掃除性能はというと、モーターの最大回転速度を90,000回転/分まで向上、過去最高の最大20,000Paの吸引力を実現した。さらにサイドブラシと回転式モップが伸縮式となっており、部屋の隅や角のゴミ・汚れを除去する。


付属するベースステーションは、ロボット掃除機本体からボミを自動収集するだけでなく、水拭きタンクへの給水、水拭き用洗浄液の自動投入、回転モップの80℃温水自動洗浄、熱風モップ乾燥、モップウォッシュボード自動洗浄と6つの機能を搭載する。


腕が伸びるロボット掃除機は量産化に向け開発中
ドリームテクノロジーはこれまで、日本での販売はECが中心だったが、『X50 Ultra』の発売を機に家電量販店の店頭でも販売を開始する考えだ。同機を含めロボット掃除機新製品4機種のほか、水拭き掃除機、ゴミ収集ステーション月スティッククリーナー、ヘアドライヤーといった、同社の製品ラインアップを店頭展開していく方針。さらに今年はBtoB市場にも参入するとしている。

また、今年の米国CESでコンセプト展示した世界初の30cm伸びるアーム付きロボット掃除機に関しては、現在、量産化に向けて開発中とのことだで今後の展開に要注目だ。























