ゲーミングスマホからしか得られない栄養がある……超高性能な最新機種『ROG Phone 9 Pro』を徹底レビューしてわかったこと

超高性能な最新機種『ROG Phone 9 Pro』

 ASUSが手掛けているゲーミングスマホ『ROG Phone 9』シリーズの国内向け販売が、2025年3月26日に発表された。発売日は2025年3月28日となる。

 スマホゲームのクオリティは年々向上しており、サクサク動作でプレイするにはスマホにも高い性能が求められる。各メーカーのフラッグシップモデルならば概ね快適に遊べるが、では、そうなるとゲーミングスマホの存在意義はどうなるのだろう?

 結論として「ゲーミングスマホからしか得られない栄養がある」と筆者は実感した。今回はASUSがおくる超高性能なゲーミングスマホ『ROG Phone 9』のレビューを通じて、上質なスマホゲーム体験について紹介したい。

シックな質感で日常使いにもヨシ

 『ROG Phone』シリーズはパッケージにもこだわりがあり、外箱デザインが毎モデル異なっている。このように、製品との出会いから遊び心をデザインしているのも、ゲーミングを名乗るスマホらしい気配りだ。

 

 厳重そうな箱を展開すると、スマホが下から浮かび上がってくる。これでスモークでも出れば、もはやSF映画の重要アイテム発見シーンのアレだ。

 スマホの下には、充電アダプターとケース、それからマニュアルが同梱されている。購入した際は見逃さないように。

 こちらが内容物一覧。アダプターの出力は65W。同梱のケースはシースルーなデザインとなっている。

 というわけで、こちらが『ROG Phone 9 Pro』の実機となる。ディスプレイは6.78インチのLTPO-AMOLEDで、手触りも発色も極めて高品質。SoCにはSnapdragon 8 Eliteを採用しており、メモリは16GB、内蔵ストレージは512GB。

 

 背面はラフな質感で、シックな佇まい。前モデル『ROG Phone 8』シリーズのデザインを踏襲しており、ゲーミングスマホでありながら日常使いにも映える落ち着いた雰囲気を放っている。

 底面には充電のためのUSB Type-C端子と、ヘッドホン端子が存在。また、左側面にもType-C端子が用意されており、別売のスマホクーラーを取り付けることができる。スマホクーラーを使わない場合も、横持ちでゲームをする際に側面から充電することで、手と充電ケーブルが干渉しない設計になっている。パススルー充電(充電しながら端末を使うと、端末内のバッテリーを使わず給電できる)にも対応しており、バッテリー消費の激しいゲームもお任せ。

 別売のケース『ROG Phone 9 CHILL CASE』も紹介する。こちらはグローバルのみの展開で、日本で販売される予定は今のところ未定みたいだ。

 右に置いた同梱のケースと比較すると、『ROG Phone 9 CHILL CASE』の内面には熱効率をアップさせるシートが貼り付けられている。触るとわずかにヒンヤリしており、スマホ本体の放熱性向上に繋がる仕組みだ。

こんなにもスマホゲームに熱中できるなんて!

 ここからはゲームプレイの所感について語っていきたいが、ハッキリ言って大いに感動した。筆者はスマホゲームを毎日プレイしているが、『ROG Phone 9 Pro』でのゲームプレイは普段よりも明らかに楽しいのだ。その理由は、視覚や聴覚、触覚など、ゲームプレイに関わる各感覚の満足値が高いからではないかと推察する。

 例えば『ゼンレスゾーンゼロ』のプレイ時は、グラフィック設定をすべて最高数値にした。ここまで端末に負荷をかけると、端末が熱くなるのは免れない。ところが『ROG Phone 9 Pro』は、指に熱を感じるまで熱を持つことはなかった。バッテリー容量が5,800mAhもあるおかげで、長時間プレイしてもバッテリー減りが少ない。熱とバッテリー時間、この2つのストレスがなくなったといえる。

 グラフィック表現にも余裕があり、専用のアプリ『Armoury Crate』からXモードに切り替えると、処理性能を大幅に引き上げることが可能。リフレッシュレートは最大185Hzが選択でき、この数値はスマホ界隈でも圧倒的だ(185Hzはゲームプレイ時のみ可能、システムでの最大値は165Hz)。

 実際のところ、X-MODEにするとどれほど性能が向上するのか。一般的な使い方の際に選択するダイナミックモードとXモードとで、それぞれ『Geekbech 6』によるベンチマークをとってみた。

 まずはダイナミックモードで計測。シングルスコアは1,686となり、まずまずといったところ。順位としては2023年発売のフラッグシップ『Galaxy S23』よりも下位となる。

 次にXモードで計測。シングルスコアは倍近い3,156まで伸び、今年発売の『Galaxy S25 Ultra』を超える数値を叩き出した。グラフィック性能を示すOpenCLスコアも、Androidスマホとしては最高ランクだ。

 記事冒頭で、近年はスマホゲームのクオリティが向上していると述べたが、『ROG Phone 9 Pro』のモンスタースペックならば、どんなゲームも余裕をもって遊べるだろう。実際、グラフィック性能をMAXにした『ゼンレスゾーンゼロ』プレイ時も、ダイナミックモードではカクつくこともあったが、Xモードでは一切カクつくことはなかった。

 また、『ROG Phone 9 Pro』は横持ちした際にLRボタンとして使えるAirTriggersも用意されている。このトリガーはハプティクスによる振動がリアルで、物理ボタンを押している感覚にとても近い。画面内の攻撃ボタンを親指でタップすると画面が隠れてしまうのがスマホゲームあるあるだが、AirTriggersを使うと画面を遮ることなくアクションができる。

 触り心地と見ごたえの良いディスプレイに、ストレスを一切感じさせないサクサクプレイ。これら基本性能の高さが、普段プレイしているスマホゲームをさらにワンランク上の体験にしてくれた。対人ゲームであれば高速リフレッシュレートの恩恵もさらに大きいものとなるだろう。

独自機能でスマホ体験をサポート

 『ROG Phone 9 Pro』には様々な機能が搭載されており、すべてを紹介するには余白が足りない。よって、筆者的に推しのものを厳選して紹介したい。

 まずはディスプレイ背面をライトアップする「AniMe Vision」。以前のモデルにも搭載されていた機能だが、今モデルは背面に埋め込まれたLEDのドットが増えており、さらに赤色LEDも表示されるようになった。ユーザー自身でLEDの表現をデザインするカスタム機能も健在で、遊び心を発揮できるユニークな機能だ。ライトを目立たせたくない場合は、オフにすることでフラットな背面デザインとなる。

 ゲームプレイ中に側面をスワイプすると、「エッジツール」を呼び出せる。ここからブラウザやYouTubeなどの他アプリを、ゲーム画面の上に表示することが可能だ。攻略サイトや動画を見ながら、効率よくゲームができるわけだ。

 最後は「AI Grabber」を紹介しよう。これは画面内のテキストをAIに検知させ、コピー可能なテキストとして扱えるものだ。上記のように長い説明文をAI Grabberで検知させれば、一部分をコピペしてブラウザで検索することができる。読み方がわからない人名や装備の名前などを調べるにはうってつけだ。

屋内撮影でも楽しめるカメラ

 最後はカメラ機能を紹介しよう。『ROG Phone 9 Pro』のカメラは、50MPの広角カメラ、32MPの望遠カメラ(3倍)、13MPの超広角カメラ(0.7倍)のトリプルレンズ構成となっている。

 こちらは広角カメラで撮影したものだが、室内灯下での撮影ながらキレイなボケ感が表現できている。周辺はやや流れ気味だが、それほど気にはならない。

それぞれのレンズのズーム性能も、簡単に見ていこう。

こちらは0.7倍の超広角で撮影。
続いて、1倍。
3倍の望遠。
望遠レンズにデジタルズームを加えた10倍ズーム。

 最大で30倍までズームができる。さすがにここまでくると絵画のようなタッチだが、体感としては5倍程度までならデジタルズームでの撮影も実用できそうだ。

 動画撮影については、「6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー」が従来の3.0から4.0にアップグレードしている。具体的には±3度の補正範囲が、±5度まで伸びた。メインカメラは画質も良く、アクションカム的な使い方に磨きがかかったといえる。

極上クラスのスマホゲーム体験を、この手に

 いつもは30分ほどプレイすれば満足するスマホゲームが、『ROG Phone 9 Pro』でプレイすると1時間経っても飽きなかった。美麗なグラフィックはもちろん、スピーカーの音も迫力があり(ROG Phoneシリーズはハイレゾ対応で、オーディオファンからも人気が根強い)、ゲームの世界に浸り続けていたいと無意識に感じていたのだろう。

 『ROG Phone 9 Pro』はFeliCaにも対応しており、IP65/68相当の高い防水・防塵性能も備えている。先述のロングバッテリーバッテリーと併せて、日常使いスマホとしても頼もしい存在になるだろう。Quick Charge 5.0およびUSB PD3.0対応で、約46分でフル充電も可能。

 また、今回は紹介できなかったが、さらにゲーム体験を高めたいのなら外付けファン「AeroActive Cooler X Pro」との組み合わせも推奨したい。物理ボタン搭載、サブウーファー内蔵、自立スタンド付きなど、もはや携帯ゲーム機級のディープなゲーム体験が得られるだろう。

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