“ゲーマー目線”が伝わる4K・QD-OLEDモニターに出会った Alienware『AW2725Q』先行レビュー

Alienware『AW2725Q』先行レビュー

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第59回は、自宅のゲーム環境を見直し中のゲーム担当・片村がお送りします。

 昨年はマウスを新調し、キーボードも長年の相棒が不調を訴え始めたこともあって新調。さらにゲーミングPC自体も買い替え検討中ではあるのですが、直近の優先課題はモニターの更新でした。

 メインモニターとして長く使用してきた24インチモニターに不満があったわけではないのですが、プレイするゲームのジャンル的にもう少し大きなサイズに移行したい思いがあったんです。そんな折に、3月18日発売のDell『Alienware 27 4K QD-OLED ゲーミングモニター(AW2725Q)』を先行レビューする機会に恵まれたので、本稿では同製品についてご紹介できればと思います。

4K/QD-OLEDモニターの美麗さは「黒」にあり

 さて、製品名にも入っているとおり、『AW2725Q』は4Kモニター。「4Kがスゴイ」ということは知っていても、実際には家電量販店のテレビコーナーで見たことしかない……という方も多いのでないでしょうか。かくいう筆者もそのひとりでした。

 試用する前は「4Kとはどんなものなのか」と楽しみにしつつ、ゲーミング用途でどれだけ差を実感できるのか不安もあったのですが、それもすぐ吹き飛ぶことに。『AW2725Q』が届き、最初にモニターの電源をオンにしたときに目に飛び込んできたのは、美麗という言葉だけでは表現し切れない美しい画面。ゲームを起動もしていない、デスクトップでも感じられる圧倒的な“美”でした。

伝われ、この美しさ…!
伝われ、この美しさ…!

 それもそのはず、『AW2725Q』は単なる4Kモニターではなく、高いコントラスト比や広い色域が魅力のQD-OLEDを採用しています。実際に触れてみて強く感じたのは、「黒」の表現の深みと鮮やかさ。「鮮やかな黒」という言葉にはピンと来ない方も少なくないかもしれませんが、画面の反射などではなく、吸い込まれそうな“黒の輝き”を体験できます。モニター上の黒は「なにも映っていないところ」ではなく、「黒を表現するところ」なのだと、感覚的に理解しました。

通りすがりの編集部員も映像美に興味津々
通りすがりの編集部員も映像美に興味津々

 そして、“4Kだからこそ”の利点として最も感じたのは、当たり前かもしれませんが描画の細やかさです。普通のモニターでは“そこにあることはわかるが、ちょっとぼやけて見える”ようなアイコン、文字などがたまにありました(近視が理由の場合もあるかもですが……)。それで使用感が損なわれることはないですものの、ハッキリ見えていたほうが気持ちいいのは事実。『AW2725Q』ではそんな箇所がことごとく鮮明に表示され、むしろ「これってぼやけていたのか」という気付きもありました。かといってビビッドすぎて目が疲れることもないので、シンプルに気分がいい。画面を見ること自体がこんなに楽しいとは……恐れ入りました。

ターゲットが明確な“ゲーマー目線”もうれしい

 ひととおりモニタースペックの確認を終えてから、人気FPSタイトルでゲーム用途での使用感をチェックしました。「4KでFPS?」と思われるかもしれませんが、選んだ理由はふたつ。ゲーミングガジェットとして他製品との差異を感じるためにプレイ時間の長いタイトルを採用すべきだったという点と、このモニターはリフレッシュレートも240Hzと高性能だという点です。

 ここからはゲーム用途で使ってみての所感に入ります。普段の24インチから27インチになったからという理由もあるかとは思いますが、「こんなところまで描写されていたのか!」という驚きをいくつも得ることになりました。

 モニタースペックの高さゆえに、たくさんの敵(ボット)がいるところでマウスをぶん回しても、細かいエイム調整を繰り返しても問題なし。性能を見れば「そりゃそうだ」となるかもしれませんが、実際に4KかつQD-OLEDのモニターでこのパフォーマンスを見せられると、射撃場の映像にもかかわらず感動が押し寄せてきます。

 ここでまたスペックの話をすると、『AW2725Q』は166PPI(1インチあたりのピクセル数)のピクセル密度が特徴で、これはOLEDやQD-OLEDモニターの中で史上最高数値とのこと。このおかげで鮮明な画面環境が保証されているようです。長時間ゲームをプレイする方だと、OLEDでは画面の焼け付きが気になる向きもあるかと思いますが、AlienwareではすべてのQD-OLEDモニターに3年間の限定OLED焼き付きハードウェア保証が付与されるとのことで、このあたりの“ゲーマー目線”も助かります。

 この“ゲーマー目線”というのも、本製品のキーワードなのかなと感じています。同時期にQD-OLEDモニター シリーズとして発表された『Alienware 34 Ultra-Wide QD-OLEDモニター(AW3425DW)』『Alienware 27 280Hz QD-OLEDモニター(AW2725D)』も含め、どの層のゲーマーに“刺したい”かがわかりやすく、筆者の場合は「RPGを美麗なグラフィックで楽しみたいけど、競技的なFPSをプレイするときにはしっかりとしたパフォーマンスが欲しい」という欲張りな希望が『AW2725Q』にジャストフィット。『AW3425DW』ならよりシネマティックな体験を求めるゲーマー、『AW2725D』なら競技志向が強めのゲーマー、というイメージかと推察します。詳細はDell公式サイト(※)でも確認できます。

※Dell公式サイト:https://www.dell.com/ja-jp/blog/alienware-monitor-backpack/

背面ではなく画面下部から操作できるのも地味にうれしい
背面ではなく画面下部から操作できるのも地味にうれしい

 4KやOLEDを「知っているけど、まだいいか」と思っているゲーマーは、機会があればぜひ『AW2725Q』を体験してほしいところ。きっと筆者のように「あったらいいな」が「これがいい」に変わってしまうでしょう。

 そんな筆者は「4Kモニターでプレイするなら、性能を引き出せるハイスペックなゲーミングPCも検討しないとな……」と思いつつ、これからも価格&スペックとにらめっこする日々が続きそうです。

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