最新ARグラス『XREAL One』レビュー 集中力が格段に上がり、“没入感”も想像以上

“265インチ”のウルトラワイドモニターで作業も捗る

さて、最後は仕事に使ってみよう。今回は『Mac Book』に接続して、「ワイドモード」を使用してみた。「ワイドモード」を使用すると、265インチ相当のウルトラワイドモニターが眼前に出現する。しかも、実際にワイドモニターが現れている感覚で違和感が無い。ウィンドウを3〜4枚程度出しっぱなしにできるので、仕事にはピッタリ。文字が読みづらいということもなく快適だ。
また予想外のメリットも見つかった。エンタメ鑑賞のパートでも説明した通り、本機を使用すると集中力が格段に上がる。やはりスマホなど集中力を削ぐものが視界から消えるのはありがたい。筆者で言えば原稿の執筆時など、集中したいときに大いに役立った。
難点もある。「ワイドモード」を使っても視野角が50度以上にはならないので、常時見えているのはディスプレイの50%程度のみ。首振りをすれば問題ないのだが、視野角以外の部分は完全にブラックアウトする。視野外の情報が目の端にも入らないのは少しストレスだった。
またデスクに座って利用すると、当然だが寝ている体勢よりも鼻への負担を強く感じた。1〜2時間程度であればなんら問題ないが、丸一日はちょっと疲れる。ここぞという集中したいタイミングで使うのが良さそうだ。
高い完成度を誇る注目機だが、課題も残る
実際に『XREAL One』を使用してみて、完成度の高さは感じたものの課題も残る。まず、装着感については、悪くもないが良くもない。やはりメガネと比べるとまだまだ疲れるので1日中つけてはいられない。そして価格も見逃せない。定価は6万9,980円と、ほぼ単機能のディスプレイとしては決して安くはない部類だろう。
しかし「集中力を格段に上昇させる」メリットは、これらのデメリットを上回るものだと感じた。あらゆる場面で集中を求められる現代においては、理想的な進化を遂げている。特に、スマホをはじめ集中力を削ぐ要因が多い現代においては重宝される機能だろう。機能やコンセプトだけでなく、画質や遅延など基礎的なスペックが高いレベルに達し、限りなくノイズの少ないデバイスに仕上がったからこそ実現した製品といえる。
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『XREAL One』
























