Apple Vision Pro、XREAL Air 2 Ultra、ソニーの4KHMD……新デバイスの産声が続いた一週間

新たなデバイスの産声が続いた一週間

『Vision Pro』がいよいよ発売。新型デバイスのニュースが続いた一週間

Get Ready | Apple Vision Pro

 “Get Ready !?”という掛け声とともに、ゴーグルをかぶる。「ヘッドマウントディスプレイはかっこいいものだ」というイメージを、往年の名作映画のワンシーンとともに突きつける。これが、iPhoneを世に送り出した会社が出した答えだ。

 Appleによる空間コンピュータ『Vision Pro』の発売日が、2月2日になることが発表された。昨年6月に発表された、いわゆる「MR(複合現実)」に相当する表現を生み出すデバイスが、いよいよ世に放たれる。まずは米国のみの展開になるらしく、日本への上陸はもう少し先になりそうだが、いよいよ神秘のベールが外されることになる。新たな時代の幕開けとなるか、1ヶ月後を心待ちにしたい。

 そして、先週は『CES 2024』からのニュースが後を絶たない一週間だった。先週の連載執筆時では、Shiftall社によるメタバース向け製品(とりわけ、超軽量VRヘッドセット『MeganeX Superlight』)の発表を取り上げたが、『CES 2024』でお披露目されたプロダクト群はこれだけにとどまらない。

 まず、XREALからはARグラスの新顔『XREAL Air 2 Ultra』が発表された。スマートフォンなどと接続し、グラス越しに見る空間へ画面を表示できる、80gのメガネ型デバイスだ。

 リブランディング前の製品『Nreal Light』以来、ひさしぶりとなる6DoF対応製品となり、ユーザーが移動しても空間上の仮想ディスプレイはその場に固定されるようだ。そしてこちらも「空間コンピューティング」というキーワードを持ち出しており、潮流に乗ろうとする気概が感じられるところだ。出荷開始は3月31日までを予定している。

 ソニーからは意外な伏兵が放たれた。「片眼あたり4K」という、驚きの解像度を誇るXRヘッドマウントディスプレイを発表したのである。

 ただし、これはコンシューマー向けのプロダクトではなく、エンタメコンテンツや工業デザインを視野に据えた、to B向けの空間コンテンツ制作システムとなる。コントローラーも見慣れたスティックタイプと、リング状のタイプの2種類があり、キーボードも併用できる汎用性の高い操作が持ち味になるようだ。

Siemens Sony partnership accelerates digital transformation through immersive engineering

 本製品はクアルコムとの協業によって最新型プロセッサー『Snapdragon XR2+ Gen 2』を搭載するほか、取り組みの第1弾としてシーメンス社との協業を発表するなど、to B的な活用にかなり本腰を入れた展開となっている。XRの本格的な活用事例が、ソニーから多く生まれる日もそう遠くないかもしれない。

【#mocopi】mocopi 開発者トークライブ

 またソニーのモバイルモーションキャプチャー『mocopi』は、『SteamVR』環境での動作改善を行うアップデートを発表した。これは、これまでスマートフォンアプリ上で処理していた『mocopi』からのモーションデータを、オープンソースのPC用ソフトウェア『SlimeVR』に対応・処理させるもの。VRヘッドセットおよびコントローラーの動きとしっかり連携させることで、全身の動きをより高精度にトラッキングすることが可能となった。もちろん、視野にあるのは公式対応されている『VRChat』や『cluster』などのソーシャルVRだろう。

 また、主にVTuber向けに「上半身集中モード」の実装も発表した。

 すでに発表済みの「下半身集中モード」のように、下半身(足首)に装着していたセンサーを上半身(上腕部)に取り付け、動作させることで、腕や肘をあげるといった動作をより正確にアバターへと反映することができる。多くの要望を取り入れながら、『mocopi』は国産モーションキャプチャー/ボディトラッキングデバイスとして、着実な成長を遂げている。今後もその飽くなき成長に期待したい。

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