思い出を鮮明に残すために 空間ビデオ撮影に振り切った新たなるデバイス XREAL『Beam Pro』という選択肢
![空間ビデオ撮影に振り切った『Beam Pro』](/wp-content/uploads/2024/06/20240628-xreal99.jpg)
ARグラスを手掛けるXREALから、極めてユニークなデバイス『Beam Pro』が発表された。その存在目的は、同社のARグラスを使った空間ビデオの視聴と、空間ビデオの撮影をよりシンプルにするためだ。
ARグラスを引き立てるコンパニオン的デバイス
『Beam Pro』の紹介をする前に、XREALが手掛けているARグラスについて軽く触れておこう。同社からは記事執筆時点で『Air 2 Ultra』『Air 2 Pro』『Air』の3種類のARグラスが発売されている。
そもそもARグラスとは何か。いわゆるスマートグラスの一種で、メガネあるいサングラスのかたちをしたウェアラブルガジェットだ。VRゴーグルとはよく比較されるが、VRほど没入感が得られないかわりに、装着が簡単で価格も手頃となる。
そして3D映像で最近注目されているのが、Appleが提唱している空間ビデオだ。iPhone 15 ProもしくはApple Vision Proを使うと空間ビデオの撮影が可能だが、ネックなのはその値段。iPhone 15 Proは約16万円から、6月末に日本でも発売されるApple Vision Proは約60万円と、価格面でのハードルはかなり高い。
人の目を模したレンズ距離
『Beam Pro』が目指したのは人の目が見るような自然な立体映像で、レンズの距離も左右の目の距離感を意識している。一般的なスマホであれば、レンズ同士が離れてしまうと撮影感が異なり不便に感じてしまうだろう。これもまた『Beam Pro』がスマホとは異なる立ち位置となる所以といえる。
空間ビデオを撮影する場合は、通常のスマホカメラを撮影するように操作すればOK。撮影した空間ビデオあるいは空間写真は、上述したARグラスで視聴できる。
実際に『Beam Pro』で撮影した空間ビデオを視聴した感想だが、かなり立体感を強く感じた。筆者はApple Vision Proの空間ビデオも視聴したことがあるが、奥行き感に関しては『Beam Pro』の方が自然に感じた。一方で空間ビデオへの没入感についてはApple Vision Proが勝っており、ゴーグル型とサングラス型の構造的差異が出てしまっているといえる。
気軽に空間ビデオにアプローチ
空間ビデオを見るには、ARグラスや『Apple Vision Pro』、あるいはMetaの「Quest」シリーズといった専用のデバイスが必要となる。いずれも現状の普及率は高いとは言えないが、そんな空間ビデオに存在意義はあるのだろうか?とも思う。
筆者が初めてApple Vision Proで空間ビデオを視聴したときは、その臨場感や「現場にいる感」に心を揺さぶられた。もし、これからの人生で経験する出来事を空間ビデオで撮影しておけば、スマホ動画以上のリアリティを伴って振り返ることができるのは間違いないだろう。
『Beam Pro』の価格は、RAM6GB/ストレージ128GBモデルが3万2980円、RAM8GB/ストレージ256GBモデルが3万9980円。ARグラスの『Air 2 Pro』が約6万円のため、合計10万円前後で空間ビデオの撮影も視聴も可能となる。
ARコンテンツの未来について、XREALのプロダクトマネージャー・高天夫氏はこのように語ってくれた。現状ではARグラスも空間ビデオもニッチな存在に留まっているが、独自の魅力に気づいた人が増えてくれば、次世代のコンテンツ視聴方法として珍しいものではなくなってくるかもしれない。ユーザーが撮影する思い出は、決して色褪せないコンテンツなのだから。
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