価格、音質、装着感の全てに“大満足” 話題の注目機『SOUNDPEATS CCイヤーカフイヤホン』を徹底レビュー
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SOUNDPEATSブランド初の、イヤーカフ型ワイヤレスイヤホン
ワイヤレスイヤホンが登場して既に10年以上が経過し、最近ではイヤホンといえばワイヤレスといっていいくらい広く普及している。それもあって、ワイヤレスイヤホンの形状や装着方法にも様々なタイプが登場してきた。
特に近年は長時間イヤホンを装着する人が増えているためか、耳をふさがないオープンタイプの充実が著しい。そのひとつが、耳たぶを挟む形で装着するイヤーカフ型で、ambieやHUAWEI、Ankerといったブランドからも多くの製品が登場している。
今回試聴したSOUNDPEATS(サウンドピーツ)の『CCイヤーカフイヤホン』もそのひとつ。SOUNDPEATSは15年以上の歴史を持つイヤホン&ヘッドホンブランドで、『CCイヤーカフイヤホン』は同ブランド初のイヤーカフ型となる。7,280円(税込)というコストパフォーマンスの高さも大きな話題という。今回その取材機を借用できたので、試聴レポートをお届けしたい。
なお、正式なモデル名は『PearlClip Pro』だが(パッケージにも書かれている)、イヤホンの形がアルファベットの「C」に似ていることから、読みやすさや覚えやすさを考えて『CCイヤーカフイヤホン』と呼ぶことになったそうだ。
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ユニークな本体デザインで、装着感もとてもいい
イヤホン本体はふたつの球体が弾性を持ったワイヤー(形状記憶合金)でつながっていて、大きめの球体側に12mmドライバーを、もうひとつには電気回路やバッテリーを内蔵している。ドライバー側を耳のくぼみに入れ、ワイヤーが耳たぶと垂直に交わるように装着する。ドライバーの位置で音が微妙に変化するので、一番よく聴こえるポジションを探していただきたい。
実際に装着してみると、ワイヤーのテンションもちょうどよかったし、片側あたり約5gと軽量なので、長時間付けていても気にならなかった。本体のほとんどがシリコン素材でカバーされているので、肌触りがなめらかなのもポイントだろう。
またイヤホン本体には左右の区別はなく、充電ケースに入れて蓋を閉じ、10秒後に再度取り出すと、左右のチャンネルが自動的に適用される仕組み。ワイヤレスイヤホンでありがちな「どっちが右だったっけ?」といったストレスから開放されるのもうれしい。
イヤーカフ型の一番のメリットはメガネのツルやマスクなどと干渉しないことだ。実際に編集部の女性スタッフに試してもらったところ、「これならピアスとぶつかることもないから、いいいですね。音もすごく聴きやすい」との感想が返ってきた。
加えて『CCイヤーカフイヤホン』は本体の軽さもあって、装着時の耳への負担が少ないし、密閉感がないぶん気分的にも楽だ。また後述するが、耳をふさいでいないので音楽を聞いている時でも外部の音が完全に遮断されるわけではない。つまりテレワーク時やリビングで家族と一緒に過ごしている場合でも付けっぱなしで問題ないわけだ。
今回のレビューでは、自宅で原稿を書きながら、あるいは近所を散歩しながら3〜4時間連続で『CCイヤーカフイヤホン』付けていても耳が痛くなることはなかった。独得なデザインの象徴とも言えるワイヤー部のテンションは、膨大な耳データから挟む角度と強さを決めたとかで、装着安定性も優れている。ウォーキングはもちろん、ランニングや筋トレなどのアクティビティと組み合わせてもイヤホンがずれるといった心配はないだろう。
なおオープン型なので、音楽を再生していても外の音はある程度聞こえる。実際地下鉄に乗っている時に、車内のノイズで音楽が聞き取りにくくなることもあった。一方で周囲の乗客が音漏れを気にしている様子はなかったので、ここは安心できそうだ(iPhoneのボリュームバーで30〜40%くらい)。
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70〜80年代のロックも、迫力あるボーカルで楽しめる
音質面での特長は、12mmというイヤホンでは大型のドライバーを搭載していること。しかもより力強いサウンドを再現できるようにとの狙いから、デュアルマグネットが採用されている。SOUNDPEATS独自のチューニング技術と併せて、クリアーで迫力のある音を獲得しているそうだ。
音楽再生はBluetoothで行うので(コーデックはSBCとAAC)、まずはiPhoneとペアリングしてみる。初回は本体をケースから取り出すと自動的にペアリングモードになるので、iPhone側で『PearlClip Pro』を選べばいい。2台目以降は、充電ケース表面のボタンを3秒長押しすれば追加可能だ。なお10秒長押しすると本体がリセットされるので、注意しよう。
CDリッピングのマイケル・ジャクソン「BAD」や「Smooth Criminal」、イーグルス「Desperado」「Hotel California」を聴いてみると、どれもボーカルが力強く、楽器の音色も自然に再現されている。マイケルの雄叫びも綺麗に伸びているし、ドン・ヘンリーの太い声も心地いい。ドラムの低音はやや軽めかもしれないが、耳をふさがないイヤーカフ型としては充分と思える低音感だ。
ハイレゾ音源のビートルズ「Help!」「Ticket to Ride」は、ギターの音色がわずかながら繊細になってきた印象もあり、小気味いいテンポで楽曲が届く。こういった細かい違いまで聴き取れるのは、この価格帯の製品としてなかなか貴重だ。
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話題の空間オーディオでは、ニュアンスの違いを楽しみたい
Apple Musicアプリから、空間オーディオのMrs.GREEN APPLE「The White Lounge in CINEMA -Original Soundtrack-」や「モアナと伝説の海2(オリジナル・サウンドトラック日本語版)」を再生する。
こちらもボーカルの声が明瞭で、楽曲としての満足度も高い。Dolby Atmosで音作りされているということで、楽器の響きが遠い場所から聴こえてきて、音場空間が少し広くなったようにも感じる。とはいえ、さすがに映画館のように音に包まれるというところまではいかないので、ニュアンスの違いを楽しむといった使い方と考えるといいだろう。
Bluetoothの接続も安定しているようで、iPhoneを2階のリビングに置いたまま1階の寝室に移動してみたが、音楽が途切れることはなかった。一般的な木造家屋であれば、PCとつないだまま自由に家の中を動き回るといった使い方でも問題ないだろう。
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専用アプリ『PeatsAudio』では、イコライジングモードの違いも楽しめる
ここまでは『CCイヤーカフイヤホン』の初期状態で使っているが、専用アプリの『PeatsAudio』と組み合わせると、「SOUNDPEATSクラシック」「高音域の強調」「低音を強く」など9種類のイコライザーモードを選ぶことができる。
「Hotel California」や「Help!」でその違いを確認してみたが、前者では「低音を強く」にするとピラミッド型の音場になったし、後者では「ポップ」を選ぶと全体の抜け感、クリアーさが向上したように感じた。ここは好みでもあるので、曲に応じて使い分けるといいだろう。
またアプリで「アダプティブイコライザー」を選ぶと、音を聴きながら自分にあったイコライザーレベルを測定してくれる(125Hz〜6kHzで8ステップ)。試してみると確かに高音の聴こえ方などが変化したので、こちらもぜひ活用してもらいたい。
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YouTubeや動画配信の再生も、快適なサウンドで楽しめる
ワイヤレスイヤホンでは、音の遅れ(遅延)もしばしば話題になる。特に動画再生時やゲームでは重要だ。僕自身もタブレットで動画を見ることが多いので、iPadとペアリングして、動画配信をチェックしてみた。
YouTubeのTHE FIRST TAKEで「いきものがかり – コイスルオトメ」を選んでみたが、音の遅れが気になることはなかった。吉岡聖恵のアップでも口の動きと声が一致しているし、水野良樹の指使いとピアノの発音も合っている。音もクリーンな印象で、ボーカルののびやかさ、楽器の明瞭感も再現できている。
「Creepy Nuts – Bling-Bang-Bang-Born」も同様に、R-指定のアップでも音の遅れがないので、映像と音に集中できる。またイントロで音がぐるっと回るパートで案外サラウンド的な聴こえ方をしたのも面白かった。
Prime Videoのライブ作品『中森明菜:ビター&スゥイート(1985サマー・ツアー)』では、ハイテンポな曲からバラード調まで、彼女の声の表情の違いを聴き取ることができた。クライマックスの「十戒(1984)」「飾りじゃないのよ涙は」なども、レトロな画質とクリアーな声のバランスが案外マッチして、没入感のあるライブ作品として楽しめる。
映画作品は『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を再生。冒頭のテストノイズが頭の周りをぐるぐる回り、サラウンドで映画を見ている気分にさせてくれる。市街戦での銃撃も高い位置から響いてくるし、続くスタジアムでのジェシーとリーの会話もセリフが明瞭。遠くから子供たちの歓声が響いて来るなど、サウンドデザインも狙い通りに再現されている。クライマックスの戦闘シーンで、ヘリのローター音や戦車の砲撃音にもう少し迫力がでれば……とも思うが、オープン型イヤホンにそこまで求めるのは酷だろう。
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●音楽を身近に感じていたい方に、ぜひ体験してもらいたい注目機
今回『CCイヤーカフイヤホン』を使ってみて、改めて“価格を超えた満足感とコストパフォーマンスの高さ”を確認できた。イヤーカフ型イヤホンは他社からも様々な製品が発売されており、インテリア性を訴求したものや、低音を強く感じさせるモデルなどそれぞれ個性をアピールしている。
『CCイヤーカフイヤホン』は、装着性、製品の質感、自然な音といったイヤホンの基本となる部分をひとつひとつ追求し、それらをウェルバランスにまとめているのが特長だ。手頃な価格で、気軽に、文字通りオープンな音楽体験ができる魅力的なイヤホンとして、いつも音楽に触れていたいという方に、ぜひ一度体験していただきたい。
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〈対象製品と各種割引適用後の価格(税込)〉
『Capsule3 Pro+』10,618円
『CC イヤーカフ』5,569円
『Air5 ブラック』7,405円
『Air5 Lite ブラック』5,646円
『Air5 Lite ホワイト』5,646円
『Breezy』4,594円
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