合法・違法も厭わない…東野幸治が見た“国境越えの実状” 「地上波のドキュメンタリーでは見ない生々しさ」

「無事に戻ってきてほしい」過酷な撮影に挑むプジョルジョDへの“親心”
――今回シーズンを通して、あのさんとMCをされていました。実際にやってみていかがでしたか?
東野:「MCとしての役割をがっちり決める」という感じではなかったんです。あのちゃんはあのちゃんで自由にしゃべっていて、僕も好きにやっている。お互い気を遣わない分、一緒に番組をやっても距離感はずっと変わらないような関係性かもしれません。
収録の合間も普通に雑談するくらいで、変に親密になりすぎるわけでもなく、かといって距離があるわけでもなく、ちょうどいいフラットな関係なんですよね。
――この番組は、東野さんが『不夜城はなぜ回る』(TBS)でもご一緒されていたプジョルジョDによる国境での取材が軸になっています。観ていてハラハラする場面も多かったかと思いますが、彼についてはどんな思いがありますか?
東野:彼に対しては、スタッフ全員が親や親戚の子を見守るような心境になっていたと思います。映像を撮ってくるのは大事ですけど、まずは無事に戻ってきてほしい、という気持ちが強かったですね。
年末のスタジオ収録にもいなくて、中継をつないで話したんですけど「国境沿いの川にいる」とか言われたときは、なにしてんの?って(笑)。最終回の収録でようやく「こういうことだったのか」とわかったんですけど、それでもやっぱり心配にはなります。
彼はTBSを辞めて“解き放たれた”感があるので、自由に飛んでいくのはいいんですが、気づいたら“羽”が片方なくなっているかもしれない。だから、無茶をしすぎないでほしいという思いはありますね。
――もし第2シーズンがあるなら、どういうところを観てみたいと思いますか?
東野:国境って危険な場所ばかりじゃなく、いろんな事情や思いが交錯する場所だと思うんです。今後は、必ずしも“国の情勢が悪いから”という理由だけで越えようとするわけではない国境もあると思うので、そういう安全な地域や、別の理由で国境を行き来する人たちにもフォーカスしてみてほしいですね。世界には190を超える国がありますから、企画としては無限の可能性がある気がします。
――最後に、この番組を通して感じた「国境」に対する思いを教えてください。
東野:国境を越える理由はいろいろありますが、やはり「家族のため」というのが大きなモチベーションになっている人が多かったですね。家族との生活を守るために、もしくは家族の未来を信じて越えようとする。
悲惨な状況もあるけれど、同時にそこには希望がある。それをリアルに見られたのは大きかったと思います。最終回を終えて改めて感じたのは、「ありがとう、家族」という気持ちですね(笑)。家族がいるからこそ、この番組のテーマがより深く伝わるんじゃないかと思いました。




















