福原遥に聞く“ゴシップ週刊誌記者”としての立ち回り 「承認欲求を正義感だと信じて生きている」
福原遥が主演を務めるABEMA連続ドラマ『透明なわたしたち』が2024年9月16日に配信される(全6話)。
小野花梨、伊藤健太郎、倉悠貴、武田玲奈の豪華キャストが脇を固める本作は、ゴシップ週刊誌ライターの碧(福原遥)が主人公の物語。2024年の渋谷で巻き起こったある凶悪事件の犯人が、高校の同級生だと突き止めた碧は、疎遠になっていた仲間たちと再会する。なぜ事件が起きてしまったのか、高校時代を回想しながら真相を追いかけていく。
本当は新聞記者になりたかった碧をはじめ、やり手のCEO、ホステス、地元の主婦など、高校時代の仲良しグループだった登場人物それぞれにスポットライトが当たり、それぞれの葛藤が描かれる『透明なわたしたち』。
今回、主演を務める福原にインタビューを行った。物語に触れて感じた想いから、彼女自身の学生時代の話まで、たっぷりと語ってくれた。
正義感と承認欲求がせめぎあう主人公を演じてみて
ーー本作の脚本を拝見しましたが、心に響くものがありました。福原さんはこの世界観に触れてみて、どう思いましたか?
福原遥(以下、福原):まさしく、現代の人に刺さる作品だなと感じましたし、若者の悩み、苦しみ、葛藤がすごくリアルに描かれていて、なかなかないドラマだなって……。 登場人物もたくさん出てきますが、一人ひとり持っている悩みが違うので、皆さんどこかで「理解できるな」「共感できるな」と感じていただけるのではないかなと思います。
ーー演じた碧については、どんな印象を持ちましたか?
福原:もちろん正義感を持っている女の子なんですけど、実は正義感だけじゃなくて、承認欲求みたいなものを持っていて。その承認欲求で行動していることも、自分は正義感だと信じて生きているような子だなと思いました。
ーー演じていくなかで、彼女の気持ちは理解できましたか?
福原:初めはあまり理解できなかったですね。でも、監督や周りの方が「こういう子もいるんだよ」とおっしゃっていたので、まずは理解するところから始めました。
ーー理解できない人物を演じることになって、どうアプローチしていったんですか?
福原:碧の行動には理解できない部分もありましたが、最初に生まれた碧の感情の部分に関しては、誰もが持っているものだと思ったので、そこを膨らませていけたらいいなと思いました。
ーー週刊誌ライターでもある彼女は上司からのセクハラがあっても、本当はやりたくない仕事であっても、前に突き進んでいます。なぜ彼女はあそこまで頑張れるのでしょうか?
福原:もちろん心のなかでは「いつか新聞記者になりたい!」という想いもあったと思うんですけど、それを信じられなくなるぐらいまで追い詰められてしまっていて……。けど目の前には仕事がある。「なにも考えられないけど、とりあえずやらないといけない」という、もしかしたら無の状態に近い感情で頑張っているのかなと思います。
ーーそうした登場人物の葛藤や悩みがたくさん出てくるのが本作の見どころです。そんな碧たちのバックボーンを知るうえで欠かせないのが高校時代のシーンですよね。現代の碧と学生の碧で演じ方を変えた、気を付けたところはございますか?
福原:昔はキラキラした想いを持って生きていたけど、いまの碧は社会に揉まれて、いろいろ諦めかけていて、疲れきっている部分があると思うので、(過去と現在で)変えてやりたいなと思っていましたね。ただ、自分が「正義感」だと思って行動する気持ちは変わらずあると思うので、そのあたりは年齢を重ねても持っておこうと思っていました。